カミは神でも

ムーゴット

第1話 カミさん

誰かと話をする時に、

彼女のことを、何て呼ぼうか。


「うちの妻が、、、、」

オフィシャルな場面では、これで良いが。


「うちのワイフが、、、、」

恥ずかし!似合わねぇ。


「うちの嫁さんが、、、、」

新婚のうちは、これでも良いかも知れないが。

ちょっと違うな。


「うちのハニーが、、、、」

アホか。


「うちの奥さんが、、、、」

うーん、奥に追いやってはいかんな。

ハラスメントになりかねない。


「うちのカミさんが、、、、」

あー、これかな。

これがいいかも。






昔の海外ドラマで、刑事の口癖。

もちろん、吹き替えで日本語のセリフだが。


「うちのカミさんが言うんですよ、

それは、●●だってね。」


刑事が、容疑者を理屈で追い込んで、

それだとアリバイが崩れるよねぇ、、、

みたいなトドメの一言の責任をカミさんに押し付ける。

実は独身者だった、ていう設定だっけ?





うん、彼女にぴったりだ。

何事も理屈で論破しようとする彼女にぴったり。

俺にとっては、そんな背伸びした姿が、

かわいい魅力の一つの彼女だった。


呼び方ひとつ、そんな些細な事で悩んでいる時もあったな。

懐かしい。





でもね、うちのカミさんは、もういない。

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