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家に着いたのは、7時を過ぎていたけど、お母さんが帰って来るまで、時間があるので、遅いかなって思ったけど、篠田さんの自宅を訪ねた。と、言っても工場の隣なのだ。
「すみません 夜に・・・ 早く 報告したほうがいいのかなって・・・」
「あぁ いいよー 今 大阪から帰ってきたの?」
「ええ 向こうのチーフ 料理長に気に入ってもらえました。オーナーにも・・・秋からのメニューに組み入れてもらえます」と、私は撮ってきた写真を見せて
「これは[愛の山への誘い]というメニューの名前です」
「へぇー おっ おー 山の飾りとか あぁー ここに使ってくれたのかー うむぅー これは焼いてくれてるのか?」
「ええ 炭焼きです それに海老と卵のクリームを乗せてあります 白木くらげも野菜サラダに それと、別のメニューで白木くらげと卵のバターライスに使ってくれたんです」
「へぇー それはそれはー そのチーフ わかってくれてるねー 原本椎茸の良さを・・・ すぐりちゃん ありがとう」
「それで、値段が合えば 来週から、とりあえず週に300本 お願いしたいと・・・」
「えっ ・・・すごいねー 道の駅なんかより ずうっと多いなぁー 今 取引しているスーパー並みだよ で 幾らで?」
「一応 希望を聞いてくれと・・・でも Kgでじゃぁなくて 1本幾らでと・・・5cm以下4cm以上のものって指定です」
「うん でも 今 出しているのは、関西の少し高級なスーパーなんだよ そーだな1本あたりだと70円から80円になるかなー 店頭では100円以上だと思うよ 原木栽培だから高くて この辺りでは売れないんだよー わかった すぐりちゃんとチーフの顔と立てて 1本52円で渡すから、すぐりちゃんは5円乗せて57円で売ればどうだろう? 配送費があるけれど、それは 葉っぱとかと一緒に送ればペイ出来るだろう」
「ええー ありがとうございます 助かります」
「いや こっちこそ お礼を言うよー ただし、本数を約束できるのは今年 いっぱいな 年が明けると本数が減るんだ うちは、菌床がメインだから原木の数はそんなに多く無いんだよー 次は4月頃かなぁー」
「わかりました お伝えしておきます それに、冬のメニューは違ったものになるから、問題ないと思います 白木くらげは? とりあえず 来週1Kg」
「ああー あっちはテスト段階だし 実はあんまり出ないんだよ どこも乾燥とか中国物を使うんでなー でも、ウチのは無農薬、有機栽培なんだけどなー まぁ Kg100円でいいよ 初めてのまともなお得意様だからな こっちは10円ぐらい乗せても良いんじゃぁなのかなー」
「ありがとう おじさん 良かったぁー 近くにここがあって」
「いや こっちこそ すぐりちゃんが居てくれて助かるよー それに、ウチはふたりとも坊主だろう 色気無くてなー すぐりちゃんが居てくれるだけで雰囲気が明るいよ それに、小さいころから知っているし、可愛いよー ウチの子みたいなもんだよ 今度は、いつ送るんだい?」
「ええ いつもは、日曜なんですけど 明日 土曜ですけど 早い目にと思っています 青いんですけどイチョウの葉を送りたいんでー」
「そうか じゃぁ 試作とかのお試しということで幾らか用意しておくから 一緒に送ってくれ もちろん無償だよ おぉ~い 貫一 貫次 ちょっと 来いー」と、最初は貫次も同席していたのだけれど、いつの間にか居なくなっていたのだ。二人が来ると
「明日 すぐりちゃんが採りに行くそうだ 貫次 聞いているか?」
「うん メールもらった 9時から」
「そうか 寛一 明日 練習休みだろう? お前も一緒に行って 手伝え! どんな風なんか見てこい」
「ええー 俺も・・・? なんでー まぁ 良いけどさー」
「そらぁー お前は篠田の長男だ お得意様の仕事をしっておかなきゃーなんないだろうよ!」
「お得意様って すぐりのことかぁ?」
「そーだよ ウチのものを売るって商談してきてくれたんだ それも なまじの数じゃぁ無いんだぞー 中学生の女の子だぞー たいしたもんだ これから すぐりちゃんはお得意様になったんだ そのつもりで手伝うんだぞ 貫次 もう すぐりちゃんのスカートめくってんじゃぁないぞ!」
「・・・俺 何も・・・そんなこと・・・」
「ははっ じよーだんだよ でも 丁寧にな お前等にとっても可愛い妹みたいなもんだろう?」
その夜 お母さんが帰って来て、あのお店での話とか篠田さんとこでの話をした。
「まぁ すぐりちゃん なんか 知らない間に すごい経験しているのねー その鮎甘露のほうは 明日 製造しているとこに お話してみるわ でも、個人のお宅の横っちょでやっているようなとこよ 多分 それと、今年はもう 炊き上げ終わっていると思うからー そんなにたくさんは・・・ね」
「うん でも 今ある在庫は全部でもいいって 買い取るって言ってくれていたから・・・」
「そう 喜ぶと思うわ あなた すごいことやってきたのね・・・」
「そう えらいでしょ お母さんの娘だからね それに お母さんが・・・穿いて行けって・・・一人前の大人になった感じだった・・・ちょっとぉーって思ったけど・・・」
「そう 良かったわねー」
「ねぇ お母さん あそこまでじゃぁないんだけど・・・私 今のんと違って もう少し 可愛いのん・・・ほしい・・・」
「わかったわ そろそろね 今度 買いに行きましょ 可愛いのをね」
「それとね 順調に稼げそうだから・・・私の修学旅行のお金 自分で貯める だから、お母さんは貯めているお金 自分の好きなものに使って!」
「すぐり・・・でも あなたは、いつでもお母さんの大切な娘なのよ」と、私を抱き締めてくれていた。
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