第13話 いや、崇めないでください。



 私は今、問題に遭遇している。

 馬車の人が崇めてくるのだ。なんで?


「サイカさま、どこか痒いところはございませんか?」

「サイカさま、喉は乾いておりませんか?」

「サイカさま、欲しいものはございませんか?」


 …そんなにお世話になる気はないんですけど。

 どうもさっきの強力な魔法が、私の力だと思われているらしい。いや、魔族の力なんですけど。でも、誰も信じてくれない。

 ​友達によると、


「まあ、サイカさんの魔法は神々しいですからね。なんというか、神のような威厳があるというか。」


 とのこと。絶対に私の因子が関係している。天使が直接つくった因子だから、そういう神様的なオーラがあるのかもしれない。

 まあ、一旦置いておいて。


「それにしても鬱陶しいまであるわよ。ね、リリィ。」

「まあ、確かにそうですね。」


 リリィが友達になりました! 今乗っている馬車隊にいたんだけど、魔法についてすごく詳しい。というのも、リリィは王都にある魔法研究所に所属する研究員だそうだ。だから、魔法を使うことができる。今回も戦おうと準備していたら、私が先に倒してしまったようだ。

 そうして知り合ったリリィとは、お互いに技術を教え合っている。私はリリィから魔法について教わって、リリィは私に冒険者の技術を教わる。Win-Winの関係だ。


 リリィのおかげで、残りの馬車は楽しく過ごすことができた。



 ◆◇▪︎◇◆



「ついたー! ここがハナレルーノ町!」


 長かった馬車の旅も終わり、街に着いた。ここでは、やることがある。

 …金稼ぎだ。路銀で財産のほとんどを使い切ってしまった。


 とりあえず、冒険者ギルドに向かう。この街は前の街よりも大きな街なので、ギルドの建物も大きかった。

 中に入ると、冒険者から変な目線を向けられる。あれ? 前はこんなことなかったのに。


「こんにちは。本日はどうなさいましたか?」


 ギルドの受付嬢が私に尋ねてくる。前はこんなことなかったのに。


「えっと。普通に依頼を受けに来たんですけど。」


 目の前の受付嬢は驚いた顔をする。いや、そこまで驚かれると、こっちも怖いんだけど。

 そして、大きなパンフレットを取り出した。


「生活保護、孤児支援の方法もあります。早まらないでくださいね。」


 え?


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