第10話 朝食〜感動のスープ〜

食事という名の拷問を終えて、使用した食器を片付ける


「ふぅ、今日はもう寝るか」


昼まで寝ていたと言えど、疲労が溜まっている、ベッドの入るとすぐに瞼が落ちる、次に瞼が開いた時には窓から朝日が刺していた


伸びをして、ベットから起き、昨日変え忘れていた服を着替えて、外に繰り出す


「まともな食事が摂りたい」


露店が立ち並ぶ道で、何を食べるか吟味する、昨日のような食事をするのは避けたかった


ふと、食欲を刺激する匂いが流れてくる、匂いの元を見るとでミネストローネを売ってる露店があった


ジャガイモと肉とチーズが入ったミネストローネは、これだけでも相当腹を満たすことができるだろう


「店主そのスープひとつもらえるだろうか?」


「おう!良いぞ、値段は器持参なら銅貨8枚、貸し出しなら銅貨13枚、返却時に3枚返す」


持参することも可能だったが、洗うのが面倒なので借りることにする


「では貸し出しで頼む」


店主に銅貨を渡す


「熱いから気をつけろよ」


湯気立つ器を渡される、確かに出来立てで熱そうだ、今すぐ食べると火傷しそうだったので、近くのパン屋でライ麦パンを買い家に戻る、


家に入り、扉を閉め机に着き程よく冷めたスープを掬い口に運ぶ


口に含んだ瞬間ふわっと広がる豊潤なトマトスープ、舌を滑るモッツァレラはとろっとろで、しっかりと肉汁を蓄えている肉は噛むたびにスープと肉汁が絡まり味を深める、そしてジャガイモはごろっと存在感を出しつつも固すぎず満足感を与えてくれる


「美味しい…」


昨日の食事も相まって、より美味しさが実感できた、


その後ライ麦パンをスープに浸し味わう、独特の旨みを持つライ麦パンは、味の濃いミネストローネがよく染み込みより旨みが増した、


あっという間に完食し満足感に浸る


「はぁ〜とても美味しかった」


皿を返すついでに、森に住むための品を買い揃えることにしよう。今回町に戻ってきたのは、あちらに移住するために必要なものを集めるのと工房を引き払う必要があったからだ


先程の露店に向かい店主に声をかける


「皿の返却に来た」


「おう、そこに置いておいてくれ」


言われた場所に器を起き店主から銅貨を受け取る


「とても美味しかった、また機会があったら来る」


「それはよかった、いつでも歓迎するぜ」


店主に別れを告げ、露店を後にする


「今日買うべき品は何があったか、ケーレスアースで作物栽培するから、野菜や薬草の種、農機具が欲しいな、持ってくために荷車は必要か、馬は…ゴーレムに引かせれば良いか、あと…」


考えながら露店が多い通りから、商店街に向かっていく


「とりあえず、一週間後出発を目標にして大きい物から用意していこう」

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