編集済
歴史学は、あと生命の歴史的なのもそうですが、
追試実験が可能なたぐいの分野とは違って、過去に起きたことを知るのには限界がある、という制約のもとで、どんな理論も「説」の領域を出ない、これが真相!と断言は永遠にできない・そういう言い方してるのは眉唾、ってことなのかなぁと。
騎馬民族説も、初めて聞く身としてはなかなか説得力を持って聞こえますが、ダメなんでしょうかね。。
エビデンスが今のところ見つかってない、からその説が間違ってるってことにはならないだろうと思う一方、
オッカムの剃刀=なるべく少ない仮定に依拠する説のほうがだいたい正しい、
たとえばピラミッドやアンコール・ワットは宇宙人が残した異星文明の遺跡だ!という説も可能ではあっても、
いやいや、フツーに地球人が作ったんじゃないかい?という説のほうが明らかに説得力がある、それと同じ確からしさなのか、、
興味深かったです☺
PS.
1コ反論を思いついたのは、日本列島の地形って、あまり騎馬民族向きではないような、
馬が入ってきたあとも、交通や運送の主力になることはなく、
イザベラ・バードの主な交通手段は人力車だったし、
零戦を工場から飛行場まで運んだのは牛車、、
騎馬民族がやってきてたとして、その機動力を頼みに征服できたか?は疑問の残るところですね。
作者からの返信
ありがとうございます!
仰るとおり、歴史学は(記録の不確かな時代は特に)絶対的な結論というのが出せないのが、歯がゆさでもあり面白さでもありますね。
なかでも征服王朝説は、賛否どちらに立つにしてもいろいろ考えてみたくなる仮説なんですよね。そして、信じたくなる魅力・説得力もあります。
ミッシングリンクに関しては、ほとんど致命的とも言えそうなのは、
①古墳の様式に根本的な変化がなく、同じ前期も後期も同じ民族文化をもつ者により造営されたと言えそう、
②中国の史書に「東北の蛮族が倭国を征服した」的な記録がない(4~5世紀なら、そのような動きがあれば記録されているはず)、
の2つに関して今後も新事実が見つかる可能性がゼロに近い、、ということかな、と。
日本は騎馬民族向きの地形じゃない、、たしかに、騎馬民族の好きな地形じゃなさそうですね。大地に鍬を入れるのがそもそも卑しい、みたいな思想も彼らにはあるみたいですし。馬車より牛車、の文化ですしね(^^)
なるほど。
手塚治虫が「火の鳥 黎明編」に描いた征服者ニニギは、この「騎馬民族征服王朝説」が元になっていたんですね。深く納得しました。
この「黎明編」のおかげで、日本の皇室は渡来系の騎馬民族の家系なんだろうかとずっと思ってました。長年の疑問の一端が解けました。ありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます!
「征服王朝説」は多くの人を魅了したようで、その歴史認識に沿ったマンガや小説も生まれています。「火の鳥」はその代表ですね。
日本の皇室にも騎馬民族の血が、、という想像はやっぱりしてしまいますね。個人的には一部その血は入っていて、日本の古層文化と混じり合っているように思いますが、生半可な知識で語ると新たなトンデモ説になるので控えます。ともかく、いろいろ考えが触発されますよね。
☆もいただいて、ありがとうございました!
この説は初めて知りましたが、面白いですね! ものすごくロマンがあります。
最近、子供のテスト勉強に付き合って歴史の勉強をしたんですが、私の習った時とは微妙に内容が違っていて驚きました。
歴史って解釈や発見で、後世になっていろいろ変わってくるものなんですね。
作者からの返信
ありがとうございます!
ロマンチックで、惹きつけられる説ですよね。想像の翼が広がります。
きっと歴史研究者たちは、大なり小なりこんな研究を地道につづけて、それが教科書の内容変化にもつながっているんだと思います。
お子さまも、そのまたお子さんが歴史を学ぶ頃には「変わってる!」と驚かれるかもしれませんね。四半世紀後、どんな新発見・新説が出てきているのか楽しみです。
編集済
「騎馬民族は来なかった」大好きな本です…!! 言及されていて思わず目を見開きました!! 「騎馬民族国家」の方は目を通したことが無かったので、「騎馬民族は来なかった」を読んでいる間は、騎馬民族説を唱えた人がいたんだー、くらいにしか思っていませんでした。ですが、久里さんの文章を拝読した今では、「騎馬民族国家」がすごく気になります。そして、魅力的なものについつい飛びついてしまうものだがそれはフェイクニュースの信奉にもつながる、という箇所では、確かに…と納得し、この本によって学者や一般の方々の関心を集め研究が進んだという側面があるという箇所には、きちんと物事を色々な側面から見なければいけないと思わされました。一冊の書物をさまざまな論点から語っていらっしゃって、毎回すごく新鮮です。今回も、新たな知見と素晴らしい時間をありがとうございました!!
作者からの返信
ありがとうございます!
「来なかった」方から読まれたんですね。騎馬遊牧民族と日本古代の文化をより広く深く比較して、共通部分と異なる部分とを丁寧に仕分けし検証していく姿勢は、学的探求を志す者はかくあるべしと、語らずとも示されていると感じたものでした。
一方で「来た」方の論説も、発想の跳躍と、その裏付けを検証していく研究の魅力が輝いていておもしろいです。
でもこの検証を怠ったり、思い込みが強くなり過ぎると、真実の探求から外れていってしまうんですよね。仰るとおり、物事を色々な側面から見なければ、、ということだと思います。そのことを思い出すためにも、この2つの書は意義深いと思いますね。
毎回すごく新鮮とのお言葉、勇気づけられます。ありがとうございました!
これっ!大好きなやつです!この書に触れたお陰で、歴史というものの捉え方ががらりと変わったのを覚えてます。暗記物だった科目が、実は推理小説より面白い!と知った瞬間でした。
そういえば。この本を読んでいた頃、『皐の民』という(こちらは軽めの小説ですが)海洋民族を扱った物語に古本屋で出会い、今まで習ってきた歴史は農耕民族の歴史でしかなく、そもそも『国』という概念が全く異なる人々が存在していた、そんなことに気付かされたものです。
それにしましても…
久里琳様!博識に過ぎますっ!
作者からの返信
ありがとうございます!
呪文堂さんもお好きでしたか。本当に、歴史というものの捉え方ががらりと変わりますよね。俄然、日本史が面白くなりました。
『皐の民』は存じませんでした。中央の歴史が農耕民族の歴史である一方、海民・山民の歴史はスルーされる、、そこに着目するとまた世界の見え方が変わると思いますね。
博識とのご評価はうれしいですが、呪文堂さんこそどんな話題にも反応されるので、すっかり脱帽です!