この爆裂散歩に平和な帰宅を!
くろぺーく
この爆裂散歩に平和な帰宅を!①
「エクスプロージョン!」
めぐみんが放った爆裂魔法の音が周辺に響き渡る。
「ど、どうですか?今日の爆裂は!私としてはかなり良かったと思うのですが…。」
「うーん…。」
これはどうだろうか……。これをどういう風に点数をつけたとしても、1点や2点の違いだし大差ないような気もするのだが、爆裂ソムリエの俺がその辺を雑にするなんてことは許されない行為だと思う。
「あの……、もしかして、カズマ的には話にならないくらい悪かったとか……。」
めぐみんが不安そうな表情で俺に言ってきた。
「…いや、そういうわけじゃなくてな……、威力がいつもより弱かったのだが、これはあの辺の地中で眠っているジャイアントトードを目覚めさせないため…ということでいいのか?」
「はい、そういうことです。爆裂魔法で敵を倒してまた新たな敵が出てきては、よくないですからね……。」
「お前がたまにやるやつな。」
「……。」
「おい、目を逸らすな。」
「威力は弱くとも、ここ数日の疲れも吹き飛んだかと思わせる爽快感。状況に合わせた配慮……今日の爆裂は…」
「爆裂は……?」
「92点!…ナイス爆裂!」
「ナイス爆裂!」
今日はいい一日になりそうだ。
めぐみんもそのように思っていたみたいで、先程の不安そうな表情は消え、スッキリしたような表情で、おぶってくれと言うかのように俺へ向かって手を広げていた。
めぐみんをおぶりながら、アクセルの街の門に向かって歩く。
「昨日な、ギルド行ったんだよ。」
俺の背中におぶさるめぐみんに昨日の話をしようと話しかける。
「…で、何やらかしたんですか?」
おい、何で俺がやらかした前提なんだ。
やらかしといえばアクアかお前だろ。
「それで、俺がギルドに入った瞬間、女冒険者30人くらいが俺を囲みだして、俺を取り合うんだ…。」
「ああ、なるほど。そこで目が覚めたのですか。」
「よく分かったな。」
そう、昨日の夢の中の話だ。
「だって、カズマが急にそんなモテ始めることなんてありませんよ。それにカズマがそんな大人数の女性にモテるわけないでしょう。囲まれたとしてもあれです。お金目当てでしょう。」
チッ、これでめぐみんが女冒険者たちに嫉妬するとかあってほしかったのに!
…てかそこまで否定する必要ある?
そんなことを思う俺の気持ちを読み取ったのか、めぐみんが俺をニマニマしながら見てくる。やめろロリっ子、俺をそんな目で見るな。
「あっ」
めぐみんが声を上げた。
「どうした?」
「カズマ、少し遠回りしていきましょう。あそこにゆんゆんがいます。」
いや、いるだけで遠回りするって……、
可哀想な気もするが、ゆんゆんだって今は話せるモンスターとの会話に忙しそうだし……って、あれ大丈夫か?
…まあ、ゆんゆんは上級魔法を使え、それに中級魔法だって使えるアークウィザードだ。いざとなれば自分で対処できるだろうし、臨機応変な対応だってできるだろう。
…そう考えていると、めぐみんが俺に聞こえづらいくらいの小声で…
「…本当に嘘だったんですね……。……少しでも…不安にさせないでくださいよ……。」
…俺はしっかりきいていた。
「ちょっとそれもう一回、俺の顔を見てから、お願いします!」
「最低です!そこは聞こえていないでいてくださいよ!」
「そんなこと言われても、聞こえていたものは仕方ないだろ!ほら!もう一回!もう一回!」
その時、俺たちは忘れていた……。
「カ、カズマ……。」
「あ……。やっべ。」
ここにはジャイアントトードが出てくることを!
これはまずい。めぐみんを置いて逃げるか?
いやいや、間違いなくしばらくカスマさんだのゲスマさんだの呼ばれてしまうし…
…でも、この際は仕方ないということで……って!もうこんな近くまで来てるし!
「ライト・オブ・セイバー!」
こっちに飛んできた見覚えのある上級魔法は
俺たちに飛びつくジャイアントトードの体を切り裂き…、
「あの、大丈夫ですか……あっ、めぐみんとカズマさん!」
結局今日もめぐみんは勝負することになりそうだ。
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