ちょろいくらいが ちょうどいい。

ねじ子

《 くせ毛 》



「それ、くせ毛?」

 


私の髪の毛は、剛毛且つ多毛。

さらに両親ともにくせ毛のため、私も多少のうねりがある。

『なんか犬みたい』 『カツラかと思った!』

なんて同性から言われることもあったから、

髪の毛の話題を振られること自体得意ではない。


そのうえ今回は異性から聞かれている…。

 

何言われるんだろ…と少し暗い気持ちになりながらも「そうなんだよね。」と苦笑いで答えた。



「へぇ…いいね。」



真っ直ぐこっちを見ながら真剣に言われた。

他意はないとわかっていてももの凄く照れてしまう。

しかも答えが予想外すぎて、私はその後何か言ったのかどうかも覚えていない。

ただただ、嬉しかった。

そんな風に髪の毛を褒められたことがなかったから。

 

こんな短いやり取りだったけど、今でも私は自分のくせ毛をみる度に、少し嬉しくて恥ずかしい気持ちになる。

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