他愛もない日々

葛葉

第1話

【街の灯り】



仕事を変わって

よちよちと働く日々が始まった



新しい職種で

新しい人間関係

そして難しい仕事内容



ついて行けてない自分に

戸惑う日々



それでも

帰りのバスの中は

のんびりと穏やかに

街中を走る



夕暮れ時

一つ一つ灯っていく

街の灯り



お店もあれば

タワマンもあれば

小さな戸建て住宅街もある



誰かが帰ってきて

誰かが待っていて

誰かが灯りを灯すのだろう



私もそんな

灯りの多く灯る街中へ

越してこようかと思いながら



やはり我が家に近づくと

月明かりに照らされて



やっぱり我が家が一番



と思ってしまう



それでも

街中の商店街やデパート

繁華街や駅ビル

オフィス街や住宅街

と明るく輝く街明かりに

ついつい憧れてしまう自分がいる



あれだけ明るければ

淋しくないかもね



とか思う



昔、東京に住んでいた頃

部屋の窓から東京タワーが見えていた



仕事でクタクタで

まだ若かったけど、仕事帰りに食事

する人も居なくて

友達も居なくて



一人暗い部屋に帰ってきても

カーテンを開けると

東京タワーの灯りが見えて

ホッとした



たまには

街灯りに

照らされて眠ってみたいものだ



一人は淋しくて

虚しいから



ま、慣れたけど

たまには良いかな~



と思う



簡単な事だ

街のホテルに泊まれば良いのだ



観光地だから

眺めの良いホテルは

いくらでもある



シーズンオブになったら

考えてみよう



一人で帰っても

淋しくない部屋



たまには…

良いかも知れない

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