7

話題には出せたけど、これだけじゃ話す機会は生まれない。


考えろ、考えろ。


「妹さん彼氏いるんですかね。」

「居ないわよ。いるわけないわよ。全然もてないんだから。」

「ほんとですか。あんな可愛いのにですか。」

「いやー、性格が悪いのよ、性格が。」


「お母さんがそんなこと言っちゃっていいんですか。」

「いいのよ。ほんと。それに今、反抗期なのよ。」

「そうなんですか。そういう時期なんですね。」


考えろ、考えろ。


「親の言うこと聞かないとかですか。」

「そうよ。まったく聞かないのよ。」

「へえー、そんな風には見えなかったですけど。」

「でも、兄貴は慕ってんのよ。不思議でしょ。」

「そうなのか。」

「えー、まあそうかもしんねえ。」まんざらでもなさそうだ。

「いい兄貴してんじゃん。」

鼻で笑われた。


やばいこのままじゃ展開しないぞ。

でも反抗期じゃ難しいかあ。

チャンスなんだけどなあ。


「妹さんて何歳でしたっけ?」

「17」

「反抗期ってもっと若いんじゃないですか。」

「そうかねえ。じゃあ遅いのかもね。」


17かあ。若すぎだなあ。もう少し上かと思ってた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る