初恋の彼女をNTRされた僕はマッチングアプリで知り合ったのっぺらぼうと付き合うことになりました
白鷺雨月
第1話 初恋の彼女を寝取られてしまう
僕の名前は
趣味はというとアニメを見たり、ゲームをしたりといわゆるオタクなものだ。
見た目も地味でばっとしない僕だけどだいすきな彼女がいる。
その彼女の名前は
彼女は僕の初恋の人だった。
中学校の同級生で三年生のときにクラスが一緒だった。学生時代の僕はクラスでも人気のある彼女と話すことはできなかった。
ただただ、教室で友人たちと話をする結城瑞樹を眺めるだけだった。
そんな瑞樹と再会したのは三年前だった。
それは偶然で僕にとっては運命の再会だった。
通勤途中の電車の車内で気分が悪いのだろうか口をハンカチでおさえている女性がいた。
ふらりとその女性が倒れたので、僕は思わず手をだして支える。その貧血で気分が悪くなっていたのが、結城瑞樹だったのだ。
僕は駅員さんと一緒に瑞樹を医務室に運んだ。
そして数日後、瑞樹からお礼がしたいと連絡があった。
僕はそのときすでに瑞樹のことを知っていた。あこがれの同級生というのを認識していた。瑞樹はというと僕が言うまで同級生だということを知らなかった。
「へえっ水樹君っていうんだ。同級生だったなんてこんな偶然あるんだね。それに私の瑞樹と一緒の名前だね」
くすくすと可愛らしい笑顔で瑞樹は言った。
僕はその可愛らしい笑顔にときめいたのは言うまでもない。
それから僕はこの偶然をものにするためになけなしの勇気をふりしばり、デートに誘った。思いのほか好感触で彼女はデートにつきあってくれた。こうして何度かデートをし、人生最大の勇気をだし、告白した。
数日待ったあと、僕と瑞樹は交際することになった。
初恋の人とつかえるなんてこんなに幸せなことはない。
僕は瑞樹のことが大好きだった。
彼女の顔も笑顔も声も仕草もすべてが愛おしく、大事な存在であった。
僕はこの人と結婚したいと心の底から思った。
だけど終わりは突然訪れた。
瑞樹からいきなり別れを告げられたのだ。
それもラインのメッセージという冷たいもんだった。今までの時間は何だったのかと思えるほどそのメッセージは冷ややかで、感情のこもっていないものであった。
「他に好きな人ができたから、別れてちょうだい」
そのあと、当然のようにラインはブロックされた。
電話をかけても着信拒否だ。
いったい僕が何をしたというのだろうか。
それから数日後、年が明けた一月のはじめのことだ。
僕は嫌な偶然に遭遇した。
それは背の高い男に腕にぶら下がるようにして抱き着きながら歩いている瑞樹の姿だった。その男は秀麗な容貌でいかにも高級そうなスーツを着ていた。つけている腕時計は誰でも知っている高級ブランドのものであった。
その男の顔を瑞樹は憂いのおびた熱い瞳で見ている。
こんな瑞樹の顔は僕は見たことがない。
心を粉砕された僕は一人自室で泣いた。
あのイケメンにはどうやっても敵わないと思った。
僕はしがない会社員でむこうはかなりの金持ちに見える。それは一見してわかるほどだ。そしてとどめに友人の
水樹はとある資産家で株式投資家と結婚するのだという。ちなみに田城も中学の同級生だ。やつとは腐れ縁であった。
田城は良いやつだ。
振られた僕と一緒に深夜まで飲み明かしてくれた。
僕の泣き言を黙って聞いてくれた。
僕が降られてから約一月後のことだ。
田城と一緒に居酒屋でのんでいるとやつは僕にスマートフォンの画面を見せてくれた。
それはマッチングアプリの画面でだった。
ふられた僕にマッチングアプリだなんて。それは傷をえぐるような行為にも思えた。そんなにすぐにはたちなおれないよ。だって瑞樹は初恋の人だったんだぞ。
「実はな紹介ポイントっていうのがあるんだ。俺からの紹介だと初めのやりとりは無料でできるんだ。まあ、暇つぶしにやってみたらどうだ」
そう言う田城に無理やり登録させられた。
まあ、いいか。どうせマッチングアプリなんかうまくいかないだろうし。たしかに暇つぶしにはなるかもしれないしな。
そうして僕はマッチングアプリ「奇跡の出会い」に登録した。
それからさらに数日後だ。
僕のアプリのメッセージボックスにメールが届いた。
その人の名は
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