第40話:「山を降りてもバレバレ?」

「おーい、紗月、美咲!どこ行ってたのー?」


山を下りたところで、すでに到着していた千佳たちが手を振っていた。


「ご、ごめん!ちょっとゆっくりしてたら遅くなっちゃって!」

紗月が笑いながら言うと、千佳はじとーっとした視線を向ける。


「ゆっくり…ねぇ?」

「そ、そうだよ!ちょっと休憩してただけで…。」


「ふーん?」

千佳が意味ありげにニヤニヤしている。


「な、なに?」

「いやぁ、別にぃ~?」


美咲は嫌な予感がした。


「…で、美咲ちゃん?」

「な、なに?」


「なんでそんなに頬が赤いのかなぁ?」


「えっ!?そ、それは…山登りで暑かったから!」


美咲は慌てて手で頬を隠すが、千佳のニヤニヤは止まらない。


「うんうん、それはそれとしてさ~?」

「な、なによ…。」


「紗月と二人きりで、何してたの?」


「なっ…!!?」

「だから、ちょっと休んでただけだってば!」

紗月が慌てて説明するが、千佳は全く納得していない様子でニヤニヤを続ける。


「…ま、いいや。あとでじっくり聞くからね、美咲ちゃん?」

「えぇ…。」


美咲はすでに観念した表情になっていた。


その日の夜、ペンションの女子部屋。


美咲は布団に座り、深いため息をついていた。


「はぁ…。」


「なになに?さっきからため息ばっかついちゃって?」

千佳がまたもやニヤニヤしながら近づいてくる。


「何でもないよ…。」


「ふーん?でもさー、美咲ちゃん、今日一日ずっと紗月と一緒にいたよね?」


「別にいいじゃん…。」


「もちろんいいけど~?なんかさ~、二人の雰囲気、前よりも距離が近いっていうか…。」


千佳の言葉に、美咲の心臓が跳ね上がった。


「そ、そんなことないよ!」


「え~?じゃあさ、ちょっと質問!」

千佳が悪戯っぽく目を輝かせる。


「紗月のこと、好き?」


「…っ!!」


美咲は固まった。


「ほら、図星~!」

「な、なにそれ!?変なこと言わないでよ!!」


「いやいや、だってさぁ、今日の美咲ちゃん、分かりやすかったよ?」

「えぇ…?」


「山から降りてきたときの顔とか、紗月と話してるときの雰囲気とか!完全に恋してる人の顔だったし!」


「そ、そんな…。」

美咲は顔を覆ってしまった。


「んも~、素直になりなよ~!」


千佳は楽しそうに笑いながら、美咲の肩を軽く叩く。


「そ、それは…わたしにも、まだよく分からないし…。」

「ふーん?」


千佳はニヤリと笑った。


「ま、いいや。これからの美咲ちゃんの動きを観察させてもらうね!」


「はぁ…。」


美咲はもう抵抗するのを諦めて、布団に倒れ込んだ。


次回予告

合宿最終日!美咲と紗月の距離がさらに縮まる…!?でも、千佳たちの鋭い視線が二人を見逃さない!?甘酸っぱい青春の夜はまだまだ続く!

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