NTRフラグも、闇落ちフラグも、BADENDフラグも全部へし折ってクラスの美少女を幸せにする最強無敵の風紀委員長の物語
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
第1話 風紀委員長:獅童 太陽という男
◆◆◆◆
体育館倉庫の扉を開けると、委員長――高嶺 葵(たかみね あおい)のことを3人の男子生徒がとり囲んでいた。
委員長は普段綺麗に整えられている黒いロングヘアーがボサボサになっている。頬が赤くなり鼻血を流しており、普段かけている黒縁メガネもマッドの脇に吹き飛んでいた。恐らく彼らに殴られたのだろう。
そして、制服は乱暴に脱がされ真っ白な素肌と、水色のストライプ柄の下着があらわになっている。スカートも捲りあげられ、上半身の下着と同じ柄のショーツも丸見えだ。
口からは泡まみれのヨダレを垂らし、涙も流している。顔から出るものが全て出ている状態だ。
「遅くなったな、委員長!」
委員長の腕を掴み肩を抱き寄せて、俺のブレザーを羽織らせる。
「てめーには関係ねぇだろう! 早く消えろ! あと、このことは誰にも言うんじゃねぇぞ! さもないと、委員長の恥ずかしい動画が世界中にバラ撒かれることになるぜ!」
◆◆◆◆
季節は初夏、ゴールデンウィークも終わり、人々が5月病という現代医療を持ってしても治療不可能な病と戦っている季節。そのため、登校という憂鬱になる瞬間は気が緩んでしまうだろう。しかし、俺はみんなよりも早く登校し校門前に立って叫ぶ。
「早くするんだ! 後30秒! 29! 28! ……。」
梅雨もまだだと言うのに太陽が燦々と輝き、俺の心のように熱く照らしている。というか、温暖化が顕著すぎて、まだ5月にも関わらず暑いくらいだ。
現現在の時刻は8時14分を回ったところ。始業時刻まで後1分弱だが校門の前では遅刻にならないよう、額に汗を浮かべながら徒競走のように全力疾走をしている生徒が何人も見える。
「頑張れ! 頑張るんだ!!! 後10秒! 9! 8! ……。」
校門の扉をゆっくりと閉め始める。しかし、まだ徒競走を続けている生徒は何人かいる。それどころかマラソンの最終盤のようになっている生徒すらいる。
「もう少しだ! 頑張れ! 3! 2! 1! い~ち……い~~~~~~~ち……。」
最後の生徒がフラフラと校門を通過するのを見届けて門を閉める。時刻は8時17分。厳密には遅刻なのだが、彼らは全力で頑張ったのだから多少は目を瞑るべきだろう。
最後の方に駆け込んだ生徒達に声を掛けるながら、校舎へと歩く。
「みんな! おはよう! ナイスガッツだった! ただ、明日からは後3分早くきてくれると嬉しいな!」
「太陽先輩……。ありがとうございます……。お陰様で……遅刻を免れることが出来ました……。」
「たっちゃん……。サンキュウ……。」
彼ら彼女らは、荒い息を整えながら口々に話す。
俺は獅童 太陽(しどう たいよう)高校3年生で、この学園の風紀委員長を行っている。因みにクラスの副委員長も兼任しているのだ。
◆◆◆◆
「みんな! おはよう!」
挨拶をして教室へと入り席に着く。
「たっちゃん、おは~。今回の中間は大丈夫そう?」
「いつも通りダメそうだ! コツコツと勉強をしているのに、どうも出来る気がしない!」
「風紀委員長兼副委員長が毎回赤点で良いのか~? 風紀が乱れちまうぜ~!」
「くっ! 厳しいところを突かないでくれ! 俺に効く!」
俺は地頭が悪いのか、要領が悪いのか……昔から勉強が出来ない。この高校に入学できたのも奇跡だ。この高校は進学校なのだが、テスト前に見直しをした箇所がたまたま大量に出てきて、その時ばかりは神の存在を信じてしまった。
合格通知が届いた時は、中学の友人達も先生達も全員が驚いていた。
ただ、両親と2人の兄は「太陽はやれば出来る人間だ。俺達は信じていたよ。」と言ってくれた。それが嬉しくて今も努力は続けているのだが……。
「委員長おはよう! 今日は天気が良くて暑くて、一気に夏が近づいてきたな!」
隣の席で本を読んでいる女子――高嶺 葵に挨拶をする。
綺麗に整えられたロングヘアの黒髪、長い前髪の奥に分厚い黒縁メガネが見える。彼女は本から一切顔を動かさずにギリギリ聞き取れる程度の音量で、一言だけ返事をした。
「……おはよう。」
彼女は物静かで口数が少ない。というか男女問わず、彼女が談笑している姿を見たことがない。常に本を読んでいるか勉強をしている。運動は余り得意でないが、勉強は常に学年で1位だ。
彼女はクラスメイト達から押し付けられる形でクラス委員長となった。更に彼女は読書好きで図書委員も兼任している頑張り屋なのだ。
俺も彼女の勤勉さを見習おうと朝のHRまで時間、1時間目の数学の教科書を広げ予習をする。しかし全く分からない。問題を解くための取っ掛かりすら見えない。この教科書は果たして、人間が理解できるように書かれているのか? いや、みんなこの教科書を読んで勉強をしているんだから、分かるように書かれているのだろう……。みんな頭が良いな……流石は進学校……。
そんなことを考えている内に、朝のHRが始まった。
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