骨の戦士電車にのる
京極道真
第1話 おはようー。
僕は骨の戦士だ。いつも通り朝の電車に乗る。
スイカならぬメロンをピッーとかざして電車に乗る。
もちろん朝は混んでて座れない。
いつも通りにつり革に手を入れて窓の景色を見ながら立っている。
自宅の駅から20分は景色を見ながら
気もまぎれて立ってられる。
25分を過ぎると自動的に地下鉄につながり、
窓には骨の戦士の僕の顔が浮かぶ。
もちろん真っ白だ。骨でも僕は気にしない。
まわりも無関心で僕のことを気にしない。
いつも通りだ。
大手町。駅に着くと大勢の人が降りた。
目の前の席が空く。座ろうとかがんだところ
ものすごい勢いでまた別の大勢が乗って来る。
僕はその人波に押されて骨がバラバラ。
目の前の空いた席に座れず、
骨のカラダはバラバラ。
それでも周りの人びとは気にしない。
まあ、骨のカラダがバラバラに崩れたところをガン見されるのも嫌だ。
僕はバラバラになった骨を超能力でサーッと
元の姿に組みたてる。
「よしよし。元通りの骨格。」僕は気を取り直して、またつり革に手をかける。
相変わらず窓に映る僕の姿は真っ白だ。肉がないから自分自身で顔色、健康状態もわからない。情けない。でもまあ、いい。僕は気にしない。
隣で咳をしている人がいる。
風邪がうつるとまわりの人達が
少しスペースを開ける。
骨の僕には風邪のウイルスもつかない。
便利だ。
電車は進んで茅場町。僕は降りた。
ホームに鼻から血を流している人がいる。
誰も立ち止まらない。
「大丈夫ですか?」骨の僕はその人に声をかける。
「駅員さん呼びますね。」
僕は骨だから血はない。
駅員さんが来た。
僕はホームを離れる。
茅場町の改札を出る。
「寒い。」
骨のカラダ。寒さは感じないが口癖だ。
骨の戦士。肉もない。血もない。
心、感情はかろうじてまだ、持っていたようだ。
骨の戦士。今日も出勤する。
おわり
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