第8話

最後に家族みんなで食べたのっていつだったっけか…?


1人でのご飯はほぼ毎日なので、そんなことはすっかり忘れてしまった。


こうして温かいご飯を家族みんなで囲んで、今日あった小さな出来事をニコニコと笑って話しながら食べる――と言うのが私の理想だ。


「ごちそうさま」


いつものように食べ終えると、洗い物をするために食器をキッチンの方へと持って行った。


パパッと手早く洗い物を済ませると、リビングに戻ってテレビを見た。


もう少ししたらお風呂を沸かしに行こうかな。


そんなことを思いながら、私はバラエティ番組が映っている薄型テレビに視線を向けた。


今日も今日とで、特にこれと言って何も変わらない1日が終わる。


明日も明後日も変わらない1日が続くのだ。


この時の私はそんなことを思っていた。

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