第25話 ゴーレムダンジョン⑤
(キュバッ!ゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
4人のクロスビーストが装備した魔法の杖から、それぞれに四色の光弾が放たれる。
撃ち出された光弾は着弾点で融合し、巨大な爆発を引き起こし、其処に居たモンスター達を消滅させて行く。
「「キャハハハ!」」
「…………」
「………まあ、楽でいいってことで?」
(wwwwwww)
(カナちゃんwww)
(大・惨…事www)
(なあにこれえ)
(…地形が変わってないか?)
(これどうなんの?そのまま?)
(ダンジョン内のオブジェクトを破壊しても、しばらくすると復元するぞ?)
(…そうなんだ?こう、メキメキと?)
(メキメキて(笑)誰もいない時に直るらしいからな…一説には小人さん達が直してるとかいう噂も…)
(それなんて靴屋の小人?)
僕らは今、クロスビースト達の能力で宙に浮き、かなり高いところにいる。
地上ではアーバンツリーアント達が蟻酸を打ち出してこちらを攻撃しようとしているが、まったく射程が足りてない。
一方的に攻撃できている状況だ。
「やっぱり上を取れると強いなあ、航空戦力最強だね!」
(まあ…そりゃあね?)
(ほぼ一方的に攻撃できてるもんなあ)
(歩兵じゃ戦闘機には勝てんよ)
(対空放火も届かんしな)
(ミサイルでも持ってこないと)
(つか、カナちゃんミリタリー好きか?)
(素で航空戦力とか言ってるしな)
(女の子でそれは珍しい)
(俺、サバゲー趣味!興味ない?)
(あ、こら、抜け駆け禁止だぞ!)
(…まあ高レベルの魔法使いなら迎撃できるだろうけど、ここにはそういうモンスターは…いたっけ?)
(もっと奥に行くと、クラウドラムの上位種で、ストームラムとかエーテルラムっていうのが出てくる。後、ゴーレム系で遠距離攻撃できるやつがいた気が、え~と、確かデータが…あ、これこれ)
名称: ストームラム
属性: 風
分類: 精霊獣(中型)
出現場所: 嵐の頂、天空の断崖、風霊の古戦場
レア度: ★★★★☆☆(レア)
ドロップ品: 嵐の羽毛、雷晶の欠片、ストームラムの角
解説: ストームラムは、クラウドラムの進化した上位種で、風と雷のエレメントを操る中型の精霊獣。
より大きく、鋭い角と輝く青白い体毛を持ち、嵐を呼び起こすほどの強力な風属性魔法を放つ。
主な攻撃は、突進、雷を帯びた風圧波、局地的な嵐を召喚する魔法で、広範囲を攻撃可能。
群れを率いるリーダー的な存在で、クラウドラムを従えることが多い。素早さと攻撃力が高く、戦闘では予測不能な動きで翻弄するが、防御力は低め。
「嵐の羽毛」は高品質な軽量装備や風属性の魔法武器の素材として重宝される。性格はクラウドラムより攻撃的だが、挑発しなければ襲うことは少ない。
名称: エーテルラム
属性: 風/光
分類: 魔法獣(小型)
出現場所: 聖風の森、星光の丘、天空の祭壇
レア度: ★★★★☆☆(レア)
ドロップ品: 光風の羽毛、聖なる毛玉、エーテルラムの宝珠
解説: エーテルラムは、クラウドラムの魔法適性が高まった亜種で、風と光のエレメントを操る小型の魔法獣。
柔らかな白銀の体毛と、淡く光るオーラが特徴。戦闘では直接攻撃を避け、風を纏った光の弾や治癒魔法で仲間を支援する。
攻撃力は低いが、魔法による撹乱や回復で戦闘を長引かせる。
単独行動は少なく、ストームラムや他の魔法獣と共に行動する傾向がある。
非常に臆病で、危険を察知すると光の風をまとい高速で逃げる。
「光風の羽毛」は、風と光の魔法を強化する装備や、回復アイテムの素材として珍重される。
穏やかで友好的な性格だが、追い詰められると強力な光魔法で反撃する。
名称: サファイアシューター
属性: 地/氷
分類: 魔鉱物(中型・遠距離特化)
出現場所: 氷結晶洞窟、深層鉱山、凍てつく岩窟
レア度: ★★★★☆☆(激レア)
ドロップ品: サファイアの欠片、魔鉱の結晶、氷結クリスタルダスト、稀に「サファイアの輝石」
解説: サファイアシューターは、クリスタルゴーレムの上位種で、サファイアの結晶から形成された遠距離攻撃に特化した中型の魔鉱物モンスター。
青く冷やかな輝きを放つ体は、氷の魔力を帯び、周囲に冷気を撒き散らす。
動きはクリスタルゴーレムより機敏で、鋭利なサファイアの破片を高速で射出する遠距離攻撃を得意とする。
命中精度が高く、連続射撃で敵を圧倒するが、近接戦では脆い。
魔力感知能力が鋭く、隠れた敵も見逃さない。
ドロップする「サファイアの輝石」は、氷属性の魔法武器や高精度な魔法陣の素材として珍重される。
(だって、カナちゃん気をつけて~)
(有能~)
(さっすが~)
「あ、ありがとうございます。ふむふむ…委員長、一度降りてドロップ回収しようか。レベルアップ酔い辛いでしょ」
「え、ええ…そうしてくれると助かるわ…」「「アハハハハ!目が回るう~!」」
どうやらまだかなりレベルアップ酔いが酷いらしい。
そろそろ上がり難くなるかと思ったけど、数が数だからか、まだかなりのレベルか上がってるようだ。
委員長達を休ませつつ、煌と紅蓮と手分けしてドロップアイテムを集めて回る…おっ?
拾った羽毛の中に、クラウドラムの物とは色の違う物が少し混じってる。
これがストームラムの『嵐の羽毛』かな?
群れのリーダーがそうだったのかも知れないな…だとすると、次からは気をつけないといけないな。
いきなり魔法で迎撃されて墜落とかは勘弁して貰いたい…僕は自力で飛べるけど、委員長達はそういう訳にもいかないだろうし。
集めたドロップアイテムを持って3人の所に戻る。
「大丈夫?」
「ええ、収まってきたわ。ごめんなさい、ドロップ集めさせちゃって」
「いいよ。煌達も手伝ってくれたし…あれ?双子は?」
「「カナちゃんカナちゃん!これ見てこれ!」」
「うおっとお?」
いきなり飛びついて来た二人の手には、Dカードが握られている…あ、ひょっとして…
「レベルアップで新しいスキルが生えた?委員長も?」
「ええ、ちょっと見てくれる?」
(あ、俺らは見てないからね~)
(個人情報は保護しないと)
(後で教えてもいいやつだけ教えて)
(トイレ休憩してくるわ)
(いってら~)
(いってら~)
ダンジョン・アイを一時停止して、3人のカードを見せて貰う…何々…?
Namu:善家 志恵(ぜんけ ゆきえ)
Job:
skill:魔糸紡績 呪文刺繍 種族:半吸血鬼(new)幻装投影(new)
『種族:
現代社会では、夜の都市や裏社会で活動することが多く、ファッションやアートシーンにも溶け込む独特の存在感を持つ。
また、このスキルは以下の3スキルを内包する。
また、種族を変更するかどうかは本人が選択できるが、変更のキャンセルはできない。
『身体能力』: 人間を超える敏捷性と回復力を持つが、純粋な吸血鬼ほどではない。
夜間や暗闇での視覚・聴覚が強化され、戦闘や潜入に有利。
『血の魔力』:半吸血鬼の血は魔術の触媒として強力。これを「魔糸紡績」や「幻装投影」に活用し、衣服に魔力を注入する。
ただし、血を使用するスキルは体力や精神力をわずかに消耗する。
『弱点』:太陽光への耐性が低く、長時間の直射日光で体力が低下。
銀製の武器や聖属性の攻撃に弱い。
また、定期的に少量の血を摂取する必要がある(人間の食事を補助的に摂ることも可能)。
『
この装束は着用者の潜在能力を引き出し、特定の状況に応じた能力強化や環境適応を可能にする(例:水中での呼吸、炎耐性、透明化)。
幻装は一定時間で消滅するが、術者の魔力が高いほど持続時間と効果が向上する。
Namu:百井 由麻(ももい ゆま)
Job:
skill:ジェムカット エンチャント刻印 種族:小悪魔(new)魔晶共鳴(nrw)
『種族:
純粋な悪魔のような圧倒的な力はないが、魅力的な外見といたずら好きな性格で周囲を惹きつけ、魔術や交渉で影響力を発揮する。
小悪魔の魔力と遊び心が宝石職人としての才能に結びつき、魔術を込めた様々なジュエリー を作り出すことができる。
また、このスキルは以下の3スキルを内包する。
また、種族を変更するかどうかは本人が選択できるが、変更のキャンセルはできない。
『魔力の親和性』: 小悪魔は生まれつき魔力操作に優れ、特に小さな物体(例:宝石、アクセサリー)に魔力を込めるのが得意。微量の魔力で大きな効果を引き出すため、由麻の「ジェムカット」や「エンチャント刻印」は効率的で精緻。
『いたずら心の魔術』: 小悪魔の魔力は感情や状況を操る傾向があり、敵を惑わせたり味方を鼓舞したりする効果を持つ。
「魔晶共鳴」のランダムな追加効果(例:敵の混乱、味方の士気高揚)はこの特性の現れ。
『エネルギー吸収』: 小悪魔は周囲の感情や微弱な魔力を吸収し、自身の魔力を補充する能力を持つ。
『魔晶共鳴(ましょうきょうめい) 』:小悪魔の魔力と宝石の潜在力を共鳴させ、装備された宝石を一時的に「魔晶」に変形させる。この魔晶は周囲の魔力や感情を吸収し、装備者の能力を劇的に強化する。
効果は戦闘状況や環境に応じて変化し、小悪魔のいたずら心が反映された予測不能な追加効果(例:敵の混乱、味方の士気高揚)が発動する可能性がある。
Namu:百井 絵麻(ももい えま)
Job:
skill:マジックウッドカービング エンチャント樹脂塗布 種族:堕天使(new)堕魂木霊(new)
『種族:
純粋な天使の神聖さや悪魔の破壊力には及ばないが、両者のバランスにより独特の魔術とカリスマ性を発揮する。
堕天使の二面性が木工魔術に反映され、木材に命や魂を宿らせるような作品を生み出す。
また、このスキルは以下の3スキルを内包する。
また、種族を変更するかどうかは本人が選択できるが、変更のキャンセルはできない。
『光と闇の二面性』: 堕天使の魔力は神聖さと闇の融合により、強力かつ不安定。「堕魂木霊」は、闇の魔力で木材に疑似的な魂を宿らせ、攻撃や防御に活用するが、制御が難しい。
『感情の増幅』: 堕天使は強い感情(特に怒り、悲しみ、復讐心)に反応し、魔力が強化される一方で暴走リスクも伴う。木工品は感情状態に応じて効果が変動(例:怒り時に攻撃力アップ、悲しみ時に防御力強化)。
『負のエネルギー吸収』: 周囲の負の感情(恐怖、憎しみ)や魔力を吸収し、自身の魔力を増幅する。
『
この木工品は自律的に動き、絵麻の意志に応じて攻撃、防御、または補助行動を行う。
堕天使の影響で、木霊は暗いオーラを放ち、敵に恐怖や混乱を引き起こす可能性がある。
効果は木材の種類と魔力レベルに依存。
(これは…種族スキル?半吸血鬼に小悪魔に堕天使…それぞれのクロスビーストのモチーフそのまま…)
「委員長、これ…」
「ええ、ちょっと驚いたわ」
「由麻は小悪魔~、誘惑しちゃうぞ~!(キラリン!)」
「絵麻は堕天使~、堕落させちゃうぞ~!(キラリン!)」
「ああ、うん、ある意味ぴったりかも…」
2人とも、まさに悪魔チックな可愛らしさを持ってるし、委員長も確かに、学校の時の真面目そうな姿じゃなく、今のゴスロリの妖艶な姿を見れば、吸血鬼というのは確かにぴったりだと思う。
「とは言え、流石にここで種族を変えるわけにもね…一度持ち帰って、家族と相談した方がいいんじゃない?」
「「ええ~、いいんじゃない別に?」」
「流石にそういう訳にもいかないわよ…娘がいきなり人外になって帰って来たら、家の母なんて倒れちゃうわ」
「カナちゃんのママさんは全然受け入れたけど~?」
あー、僕の場合はレベルアップで種族が変わった訳じゃなく、元からそうだったらしいんで…というか、母さんも生まれつきの
「種族変更するつもりなら、ちゃんと自分でご両親に許可貰いなさい」
「「ちぇ~、は~い」」
「じゃあ、一度戻ろうか」
「「あ、じゃあ下僕達に今日はここまでって言わないと」」
「そうね…ん?」
『LU LU LU…』
今日はここまでにすると決めて立ち上がった僕らだったが、それぞれのクロスビースト達の様子がおかしい、何か…警戒してる?
「ミャアア…」
「ガウウウ…」
「煌?紅蓮?」
見れば、煌と紅蓮も臨戦態勢で鱗と毛を逆立てている。
(ゴゴゴゴ…)
「…地震?ダンジョンで?」
「カナちゃん!あれ!」
委員長の示す方向…山頂の方を見ると、山肌が崩れ、中から何かが現れようとしている。
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