第3話 面白い?
舞台に立つ度に分からなくなる。このネタ面白いのか?こんな俺でも有難いことにファンがいる。たまに俺に対して出待ちをしてくれるファンの人がいる。
「植木さんが変わらず舞台に立ってくれてることが凄く嬉しいです。」
「サイレンスの時から応援してます!」
ネタのこと誰も言ってくれんやん。まあ、出待ちの時に時間かかるから言わんだけなのかもしれんけど。
俺の出待ち対応クソほど悪いからなぁ。早く帰りたいが見えすぎてるって都築にも言われたことあるし。しゃあないやん、早朝バイト、終わって即劇場、終わるのは夜9時ってなったらそうなるやろ。
ファンの人には申し訳ないけど。
「裕貴くん、お疲れ。」
「たまお疲れ。」
「ずっとたまって呼ばんといてって言ってるやんな?」
「ごめんて。」
たまというあだ名は養成所に入った時見た目が某国民的アニメの三つ編みメガネさんに似てたから。
「佐藤さんとツーマンやるんやろ?どういう風の吹き回し?」
「別に風の吹き回しも何も無いよ。悠樹さんからお誘いあったから是非って。」
「解散も別に仲悪くなったからとかじゃなかったもんなぁ。ずっと私は勿体ないなって思っとるんやで?」
「この間都築にもそれ言われた。そんなにサイレンスって良かった?俺全然悠樹さんに追いつけんかったし、単独もあんまり埋まってなかったし。まだ分かってないんよな。」
「マジで言ってる?それ。」
「え、うん。」
「サイレンス、というか裕貴くんは同期の星だったよ。」
「だったって。」
「サイレンスが1番最初に劇場所属して、テレビにも出て。これからだって時に解散したんだよ。もちろん今の裕貴くんが面白くない訳じゃないし。」
「まあ。」
「私はそれだけサイレンスのことが好きだったから。それだけショックがでかかったんだよねぇ。」
「え、俺の今の活動応援してくれる人全然おらんやん。」
「うーん、そうじゃなくてなぁ。ねぇ、とん!」
「とんにもこの間サイレンスが好きでしたって言われてる。」
「え?何の話??」
あだ名はとん、ぷー。
「この間とんにサイレンス好きだったって言われた話。」
「あー、言ったね。智夏も?」
「みんなで言ってるらしいから裕貴が病んでピンやめてしまうかもしれへん。」
「そう思ってるんなら言うのやめろよ。」
「そんなこと言ってもサイレンスは私らの青春だからなぁ。」
「同期を青春に使うな。」
「まぁ、みんな今の裕貴が好きだからこそまたサイレンスも見たいって言ってるだけでしょ?俺はずっと植木裕貴が書くネタ好きだったからピンになってそのネタ見れるの嬉しいんだよ。」
「とん、いいこと言った!私らはずっと植木裕貴のこと好きやで!ピンの賞レースも準々決勝まで言ってるんやろ?順調やん。だから佐藤さんとツーマンやるんやろ?裕貴は面白いよ。」
「ありがとうな、たま、とん。」
「だからたまって呼ぶなよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます