5月

 4月の終わりごろ、レタスの種まきをした。まだそんな、25度を超えるような日はそうそうなかんべえよとのんびり構えて、確実に気温がある程度上がった時期を狙ったつもりだった。

 だが非情にも天気予報は5月1日の最高気温が25度であると言っている。そんなばかな。いきなりの夏日ではないか。


 レタスの種というのは25度を超えると休眠に入るのだという。果たして一度休眠した種は、また気温が下がれば芽を出すのか、それとも休眠しっぱなしなのか。

 植えた鉢は我が家で比較的涼しい縁側に置いた。朝起きてきて薄ら寒いなか頑張って水もやった。どうか無事に芽よ出てくれと思うばかりである。


 今年は春に雨が続いて、冷夏なのかと思っていたらこれだ。れいわちゃんはやることが過激すぎて困る。

 だって今朝の気温4度ですよ、それが昼には25度だなんて、一日の気温差が激しすぎて風邪を引きそうだ。

 茶の間の窓からは庭のドウダンツツジの葉が光に照らされて淡い緑に輝いているのが見える。あんたらこの天気でびっくりせんのか。


 レタスは大ピンチなのであるが、アネモネは咲きそうにない花芽をちょん切ったところ、元気よく伸びてきた花芽が色づいてきた。ひりょうの ちからって すげー!!

 いつ咲くかなあとワクワクしている。花は楽しい。

 梅は散ってしまったがレンギョウや乙女椿が元気いっぱい咲いていてとても楽しい。庭はまさに春爛漫である。

 一方で「おまん、だれじゃ」みたいな植物もニョキニョキ育ち始めた。おまん、だれじゃ。植えた覚えのない木が生えてくるのはどうすればいいのだろう。

 去年は枯れてしまった庭木や「おまん、だれじゃ」の木を叔父上に頼んで片付けてもらったのだが、「会社の仲間も連れていくよー」と明るく言うのできっと可愛がっている後輩でも連れてくるのだろうなと思ったらガチの先輩を連れてきて大変ビックリした。


 叔父上の父、つまり母氏の父、つまり祖父は、健在だったころよく我が家の庭を手入れしてくれていた。木の冬囲いだったり雨どいの修繕だったり、山で育った人間のスキルをフル活用して、庭をきれいに整えてくれていたのだが、うちの父氏は坊ちゃん育ちなのでそういうことができない。たまに気まぐれで車のミラーに引っかかる木を少々片付けるだけだ。

 なお祖父は包丁を研ぐ名人だった。叔父上も包丁を研ぐのが上手いのだが、祖父の場合は父氏の母、つまり父方の祖母が姑特権を発動して包丁の手入れをお願いしており、しょっちゅう包丁をタオルで簀巻きにして祖父のところに持って行った。祖父は母氏に「おめの義母さん、人使いがあれぇな」とこぼしていたという。それと同じことを叔父上にお願いするのはなんとなく気が引けるので、我が家の包丁はどれもあんまりよく切れない。

 なお叔父上は熊を解体して肉にすることができるらしい。ニワトリなんかも余裕で分解できるらしい。恐ろしや。


 ところでいきなり話題が変わるのだが、かわいい植木鉢が欲しい。

 我が家にある植木鉢は基本的に実用一辺倒のつまらないものばかりである。そこに花をポンとひとつ植えるのが定番だが、ちょっと色気が出てきて素敵な鉢が欲しいのう……と思うようになった。

 でっかいスーパーの花屋さんでかわいい鉢が売られていて、いいなと思ったらけっこうな値段だったし、寄せ植えをする前提の鉢かと思われるためサイズが大きい。多肉植物をポコポコ植えて飾る感じではない。

 寄せ植えというのがどうもあんまり好きでないのだ、植物というものをじっくり観察したいので、1種類1種類分けて植えたいのである。しかしミニサイズのかわいい鉢というのはなかなか珍しいのかもしれない。

 この、「1種類1種類分けて観察したい」というのを突き詰めれば、万病に効くと信じて龍糞石だ一角獣の角だと得体のしれないものを粉にして飲むヨーロッパ貴族が爆誕するのではあるまいかとよく思う。小学生のときから澁澤龍彦の「毒薬の手帖」が愛読書で、ボルジア家とかサンバルテルミ大虐殺みたいなオタクの基礎教養はこのあたりから履修した。

 そういうタイプの基礎教養から入ったので、ドラゴンボールとかスラムダンクとかジョジョとか北斗の拳とかその辺りはぜんっぜん知らないのだった。


 脱線してしまった。

 今年の連休は飛び石連休なので、世の中があまり連休連休のムードでなくてたいへんよい。しかしながら今年も地元密着のホームセンターでガーデンフェアをやっているというではないか。行かねばならぬ、花の苗を買わねばならぬ。できれば丈夫でずっとポコポコ咲いているような花の苗が欲しい。ナデシコとかカリブラコアとかがちょうどいいだろうか。

 なんだかんだ連休で浮かれポンチになっているではないか。猫氏のフィラリアの予防薬を買わねばならないというのに!!!!

 そうなのだ、そろそろ蚊が飛び始める季節である。去年はまさに撃墜王というほど蚊を叩き潰したが、あれはマグレなので今年はなるべく蚊が室内に入らないように気をつけたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る