第5話 病院にいる
サッカーボールを蹴る春樹。
小2くらい?
『キャプテン翼』を見て、すっかりその気になっている。
『これが最後のチャンスだチャンスだ。目を開けろ開けろ』
うるさい。
さっきから何なの、その変な語尾の繰り返しは!
ばりん、と音がしたかのようにまぶたが開いた。
白い。
独特の匂い。
私、病院にいる。
首を動かそうとしたら、頭のてっぺんから爪先まで激痛が走った。
じわじわと痛みが広がっていく。
足、腕、お腹のあたり、首から頭へ。
痛みはほぼ全身じゃん。
ゆっくりと目を動かす。
私、個室にいる。
看護師らしき人はいない。
こんな状態で、一人にする?
モニターは付いているけれど、呼吸器もつけていない。
点滴は……、紫の袋はブドウ糖?
唾を飲み込んだら、咳が出そうになった。
咳をしたらどれだけ痛いかと思って堪えたら、腹筋が痛んだ。
やっぱり、まぶたを閉じることにする。
このままこのまま。
このまま眠ってしまう。
それで、いいんだっけ……?
よくない! と、勢いよくまぶたを開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます