第3話 邪魔な声
新しいランドセル。
元夫が送ってくれた、紺色の高価なランドセル。
背筋を伸ばし、先生の話を聞いて誰よりも早く手を上げている、一年生の春樹。
黒いもやがかかり、小さな春樹が消えていく。
なんでよ。
走馬灯ぐらい、ゆっくり見せてよ。
『そんなに死にたいのかたいのか』
機械音みたいな声。
『お前の大好きな子どもも死ぬ死ぬ。いいのかいいのか』
いいわけないじゃん。
で、何?
『腹立つ立つ。お前がオイラへ頼むべきべき』
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