この場所で女として生まれたら、誰でも一度は思うこと
yuzu
第1話 事故と声
右折レーンの先頭で、信号が変わるのを、車が途切れるのを待っていた。
「お母さん」
後ろで春樹の大声が響いた。
壁が、目の前にあった。
トラック。
そう意識したとき、ハンドルを右に切ったと思う。
真夜中の助産院。
アロマが焚かれている中、腰をマッサージしてもらっている。
そう。
春樹が産まれた瞬間が、人生で最も心が動いたとき。
3日も続いた陣痛。
でも、春樹は、ゆっくりゆっくり下りてきてくれた。
ずるっと、春樹が出てきた。
すぐに、胸に吸いついた春樹。
今でも、思い出すと涙が落ちる。
『おい、お前、これから大事な話をするする』
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