最弱キャラに転生で、人生詰んだかと思ったけどまだ舞えそうです。

プロローグ 

「おい、まだ終わってないぞ。なに逃げようとしてんだっ!」

路地裏、一人の青年が大人数に囲まれて殴られる。

想像するだけでも自分はこうなりたくない...そう思ってしまう光景。


挙げ句の果てに、意識が朦朧とする中で顔を上げれば...

自分の持っていた荷物は何も残っていない。

財布も、何もかも。


それでも、非力な青年はただそれを受け入れるしかなかった。


──────────

こんな光が見えない世界で、青年が生きようと...思えていたのはこのゲームがあったからだろう。


全世界に同時配信され、あっという間に人気ゲームとなった「カリオラシル」


今までにあまり見られない形式のゲームで、プレイヤーは多くいるキャラクターの中から好きなキャラを選んで操作する。

魔法や剣での戦いがある世界で、キャラを好きなように育成したり、自分の選択でストーリーが他の人たちとは違う方へ進んでいったり。

最新の技術で、それら夢のような機能が実装されていた。


そんな人気ゲームを、青年は質素倹約で貯め続けたバイト代で購入。

散々な人生だと自分でもわかっていた彼は、そっちの世界に居場所を求めるようになって、毎日何時間も画面に向かうようになった。


もちろん、根は真面目だった彼は...どれだけ現実が嫌になろうと大学にはちゃんと通うし、バイトもしっかりとやった。


友人だって普通にいる。

でも、心当たりがない。いつの間にか、柄の悪い奴らに絡まれるようになり、友達は離れていき孤独になった。

どこで道を間違えたのか、日々問い続けても答えは出ない。


ただ今の彼には、「カリオラシル」があった。

ギリギリの状態で精神を保っていた。

だが、まるでひびの入ったガラスの上を歩くように....

彼の精神は、いくらゲームがあっても崩れていく。


完全に崩れて彼が壊れてしまう日も遠くはないかもしれない。



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