すっぱみそ腐ったニシン星人の誕生
雑貨屋少女はカウンターにお茶セットを並べて飲んでいた。
彼女はしばしばこうやってお茶をしばきながら店 番をしていたりする。
何の変哲もないティータイム。
そんな時、ふくよかでリッチそうなマダムがやってきた。
「ほほっ。あなたがウワサのシエリアさん? まぁ、可愛いらしいお嬢さんだこと。わたくし、モッチモチと言いますの。今、お時間よろしくて?」
店主は慌ててお茶セットを
「それで、今度、私の
これらの
そもそもトレントの
シエリアが
「あら、無理ならしょうがないわ。別の
リッチメンの
「やります!! 私、エルフのお
シエリアは
無理とは言うものの、
だが、いざ
「うわわあぁぁ!! エルフの
そんな時、彼女はあるウワサを思い出した。
エルフは
「エルフ……エルフの
すぐに彼女はキッチンへ走った。
そして、
小さな
すると
次の
「これ、もしかして……シロップにつられて? エルフの森に
彼女は
「
彼女は″くさや″を持ち、再び
それでもクランドールではそれなりに人気があったりする。
気づくと彼女は見たこともない
あたりを
「お前くさすぎるだろ」
「
「まぁあの
もっとも若いのは
そして
彼は落ち着いた
「ようこそ
シエリアはコクリとうなづいた。
「それはワシらも同じでの。
一体、何を
「……お
その
(
その代わりにエルヴン・トレントの
だが、長老は
「人の子よ。我々は
気づくと彼女は店の前に立ち
今まで体験したことはまるで
だが、手には確かにトレントの
ともかく無事に目当ての物を手に入れた少女は
「
「さすが。エルヴン食材の入手をやってのけるなんて。ウワサどおり
そのぶん、
他の
やはり価値が分かる人には分かるのだ。
「ふんふふ〜ん♪ ディナーはな〜にをたのもかな〜♪」
こうしてシエリアは
そして
次の日の朝、なにやら通りが
公園にエルヴン・トレントが現れたというのだ。
おそらく巻き込まれてこちらまで来てしまったのだろう。
あたりには探検隊が集まってきていた。
「な、なんだこれは……」
樹には茶色いリンゴほどの実と、さくらんぼくらいの実がつづなりになっていたのだ。
探検隊が実を採取しておそるおそる口にした。
「味噌のような味、風味!! そして、こっちは……すっぱ!! 梅干しじゃないか!! し、新発見!! 新発見だぞォ!!」
野次馬たちはざわざわとざわめいた。
その時だった。
それはまさに死ぬほど臭い腐ったニシン、あの缶詰そのものだった。
これを
シエリアは
「ふぅ。きっと町外れまで行ければ長老さんがひろってくれるよ。もう迷わないでね」
雑貨屋少女が樹の幹をなでるとトレントは葉をザザザっと鳴らした。
同時に
「エルフはトレントの葉と実から構成されると考えられていた。だが、昨日、味噌と梅干しをつけたトレントが発見された。さらにシュールストレミングの臭いも確認された。つまるところエルフとは実は
こうして人々の間にこの説はガッチリ
でも、どうしましょう。
エルフさんがすっぱみそ腐ったニシン
え? いくらなんでもボロクソ言い過ぎですか?
……というお話でした。
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