潮騒のサラリウム
雑貨屋の店主はプランターでささやかな
それが呼びよせたのか、今回は畑の依頼だった。
麦わら
「私、マリエって言います。あなたのことを聞いてきて。畑のお野菜で困ってるの」
シエリアは農業の専門家ではないものの、
「そのですね、お野菜、いえ、果物まですごくしょっぱくなってしまうんです」
あまり聞かないケースである。
とりあえず、現場を見てみないと始まらない。
シエリアはマリエの農園に向かった。
小ぶりではあるが、
そこには
「なんだい。この
「まぁまぁ、ニッキおばあちゃん、そんなこといわないの」
やりとりからするに血のつながった
トラブル・ブレイカーをやっている以上、たまにこういう当たりの強い
だが、そんな人達を満足させるのもシエリアにとっては仕事の
「う〜ん、野菜や果物を味見してもいいですか?」
マリエは不安そうにうなづき、ニッキはそっぽをむいた。
「では、まず、このバニラ・コーンを……」
シエリアは
「うッ!!」
まるで海の水をモロに飲んだ時のような
「うっ、うぇッ……
しょっぱいとかいうレベルではない。
その後、他の
とてもではないが、売り物にはならない。
これは困って依頼を出すのも無理はなかった。
「見てみぃ!! この畑にはな、
聞き捨てならないワードが出てきた。
思わずシエリアは聞き返した。
「
なぜだか孫のマリエはその言葉を
「もう!! おばあちゃん!!
なんだか事情がありそうだ。
ニッキは夜中、畑に
それどころか誰が見に行ってもそれらしいものは見かけられず、
試しに張り込みをしてみようと言うことで、シエリアと
だが、まったくそれらしい
ニッキが全くのデタラメを言っているとは思いたくなかったし、それしか手がかりがなかった。
シエリアがにっちもさっちもいかなくなって、カウンターで
「ヘヘッ!!
彼は怪しげな
こういった
「売れ
そういいながら商人はかばんの中身を広げだした。
「ヒッヒッヒ。最近は
シエリアは身を乗り出した。
「この塩、全部ください!!」
そしてその夜、畑には
「おばあさん、あなた、
ニッキは
「あぁそうだよ!! でも一向に消えないからヤケになってさ!!」
するとシエリアは手に持った塩をパサリと畑に
「当たり前ですけど、このくらいでは野菜はしょっぱくなりませんからね? ほっ!!」
さらに粉を
「うひゃあ!! 出たね!! 消えな!! 消えな!!」
必死に
「待ってください!! この子たち、おばあさんのこと、好きみたいですよ。私達の前では現れなかったですし」
「この子達は″サラリウム″っていう
「畑にふわふわと小さな
シエリアはニッコリと笑った。
「おばあさんのおかけで命を繋いだんですよ。他の人の前では
とても
「あんたら……。悪かったねぇ。
ニッキは
「今回は
するとシエリアは
それは
気づくと
こうして
孫のマリエも祖母のニッキにも笑顔が戻った。
散々な言われようだった
「あんたにゃ、悪かったよ。
トラブル・ブレイカーは
それ以降、味をしめた
実際、売り物の8割くらいは弾いているのだが、この間の
そのほとんどをシエリアが買い占めてしまった形になる。
が、きっと望んでいなくてもそれはやってくるので
無事に畑の問題を解決することが出来ました。
″サラリウム″なんて久しぶりに見ましたよ。
それにしても夢中だったとはいえ、なんであんなに大量の塩を買ってしまったんでしょうか?
きっと塩の
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