第2話

「恭君や」


「何だよ」


「そこの椅子に座りなさい」


 真面目な話だと分かったのか大人しく座ってくれた。


 否~、あの後風呂に入れてからのことだから、

 自分でも急だとは思ってるんだけどねぇ~


「何の話だ」


「君は私の犬だ。

 その意味が分かるよね?」


「紺野椿の飼い猫の飼い犬になった。

 だから、命が危険になる」


「せいか~い‼」


「だから、何だ?」


「え~?

 分かんないの~?」


「・・・・分かる。

 強くなけちゃいけない」


「そうだよ。

 お前は強いの?」


「強いと思う」


「強いと思うぅ?

 んなんでやっていけるほどこの業界は甘くねぇんだよ。

 これから相手してくのは化け物ばっかだ。

 強くなきゃいけねぇんだ」


「分かってる。

 これでもあの世界には慣れてる」


「ふ~ん。

 え?

 慣れてるだけ?

 舐められてんの?」


「は?」


「厭々、ふざけてるの?

 あの紺野椿の飼い猫に慣れてるだけの奴よこすとか馬鹿じゃん。

 ウケる~」


「ウケねぇわ。

 舐めすぎだろ」


「何言ってんの?

 紺野椿の飼い猫だよ?」


「そうだった。

 まともなやつじゃなかった」


「まともやつだよ!

 私は」


 呆れたように


「何で俺を犬にした理由が分からない」


「そんなの簡単だよ。

 私の話し相手が欲しかったんだよ」


「そう」


「私の名前は浅野瑠璃あさのるりだよ。

 好きに呼んでくれて構わない。

 私は風呂に入ってくるからな」


「ご飯作って待ってるね。

 瑠璃さん」


「里芋は抜いてね」


「分かった。

 適当に作ってる」


「はいは~い」


 さ、お風呂に行きまっしょう。


 明日学校だなぁ。


 面倒くさいなぁ

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