第2話 コンロ紛失?!


 とある村の倉庫にて・・・・。



キマリ「こ・・・・コンロが無いじゃあねぇか!!!!」



 キマリは本日のバーベキューに使用するコンロをウッキウキで村の倉庫へ取りに行っていました。



 しかし・・あるはずのコンロが・・・ありません・・・・。コンロが神隠しにあったんじゃないか・・・・。



 このコンロですが、キマリが住んでる村の村人全員が使用できるようになっています。ルールは、貸出名簿に日付、貸出期間、氏名を記入し、使用したら洗って綺麗にしてからこの倉庫に戻す。




 ただそれだけのシンプルルールなのですが、どうやら守れない人が居たようでした。



 キマリは怒っていました・・・・・・。



 今日は俺が年で一度リーダーとして輝く日なんだ・・・・。


 そしてなによりもみんなの笑顔が見たい・・・・。


 みんなの笑顔を肴に俺はジュースを飲むんだ。車で行くからお酒は当然飲めないが、それで俺は酔う事が出来るんだ。美味しい物を食べさせる、それが嬉しい、それで充分なんだ・・・・。俺はその為に生きてるんだ!!



 キマリは倉庫の壁にかけてあったコンロ貸出名簿をワイルドに引きちぎり、最新の貸出者の元へ車で走ります。今日もマニュアルの箱バンで走ります。



キマリ「名簿を見る限りだと最新は・・・佐々木さんかぁ・・・・10日前に使用されとるな・・・・。遠いんだよな佐々木さんちは。俺んちの丁度真北の山を越えて行かないといけないんだよなぁ・・・。」



 目の前の山をきつそうな表情で見上げるキマリ・・・・・。



 でも、さすがに言っておかないと。佐々木さんにコンロ使ったら今後必ず倉庫に返すように言っておかないと。



 こういうルール違反があっては、全然コンロをあてに出来ないのです。共用で使う物であるという事はしっかりと自分の口からルール違反はいけませんよと、先輩の佐々木さんに伝えるのが務めです。これはもう後輩だろうがなんだろうが関係ありません。大人として、村を代表してみんなの為に心を鬼にして言わないといけません。




 カツカツカツ・・・・



佐々木さん「おっ・・・キマリ??急にどうしたんやお前。珍しいな。」




 家の軒下でタバコを吹かしている強面の佐々木さん・・・・。




キマリ「佐々木さん、おはようございます!♪・・・佐々木さんあの・・・・バーベキューコンロの件ですが、10日前に借りてませんかね??それを借りに来ました!!」




佐々木さん「コンロ?・・・・・・あー借りた借りた。それがどうかしたんか?」




キマリ「いや、それがいつもの倉庫に無くってですね・・・・・。」




佐々木さん「はぁ??・・・・・」




 首を傾げる佐々木さん・・・・・・




 「佐々木さん、ルール違反はしないでください」・・・・ここは心を鬼にして言わなくてはいけません・・・・。佐々木さんは昔やんちゃだった名残で入れ墨があります・・・。今では少し丸くなりましたが、俺は心を鬼にして言わなくてはいけません・・・。




佐々木さん「いやそりゃ返すのはわかってんだけどさ、お前の家の近くの・・・芝原だったっけ?あいつが次の日使うからそのまま貸してくれってわざわざここまで、俺んちまで来たんだよ。・・・そりゃいかんだろ、貸出名簿にも書かないといけないし、俺が綺麗に洗って明日の朝早くに倉庫に返すから、お前はその後に取りに行け!って強めに言ったんだけどな!それでも明日は早朝から遠方に出ますんでお願いします今貸してくださいって・・・・。あいつ・・・・。名簿も記入してない上にコンロまで返してないなさては!!!・・・・。」




 吸っていたタバコを思い切り握りつぶします・・・・・




 先輩・・・・かなりご立腹です。




 滅茶苦茶しっかりしてる・・・ルールに厳しい・・・・。しかし後輩の芝原かぁ・・・また佐々木さんの家から一番遠いじゃないか・・・・。



佐々木さん「ちょっと俺・・・・我慢ならねぇわキマリ・・・・。信用してそのままあいつに貸してやったのに・・・・。そうやってみんなでやらないといけないルールを破る奴が周りに居るって事が俺は気に入らない・・・・・芝原に今からガツンと電話で言ってやるから、お前ちょっとここで待ってろ!!」




キマリ「い・・・いいですいいいです!!!!大丈夫ですから!!!僕の方から会ったらしっかり言っときますんで!!コンロなんていいんですもう!!最悪買えばいいんで!!」




佐々木さん「買えばいい??そういう問題じゃないだろうがお前はぁ!!あのコンロじゃないと駄目なんだよ!!・・・あっそうか、キマリお前これから芝原んとこ行くんだろ?!俺も乗せれ!!あいつは一発食らわせんと気が済まん!!」



 ・・・怖い怖い怖い怖いっ!!!!・・・・



キマリ「もぉいいですいいです!!ちゃんと会って僕の方から名簿にちゃんとお名前を記入するように言いますから!!す・・・すいません佐々木さん!!すいません!!僕がちゃんとあいつに、芝原に言ってないのが悪いんです!!」



 硬派な佐々木さんは責任感が物凄いある人でした。



 キマリは車に一緒に乗ろうとする佐々木さんを引っ張って定位置の軒下まで動かそうとしました。ビクともしませんでしたが、煙草を吸いましょうとポケットから一本煙草を差し出すと急に佐々木さんの力が抜けました。



キマリ「なんかすいませんでした!お休みの所!!」



佐々木さん「おう、頼むで。芝原にしっかり言っといてくれ。」



キマリ「はい!僕が言いますんで佐々木さんは動かないでください!休日なんで!」



佐々木さん「おう、そうだな。頼むぞキマリ。あっ・・・そういえばお前この前みんなで飲んだ時よ、俺が煙草切らしててお前から貰ったんだったな??これ渡しとくわ。俺はそういう所はしっかりしときたいし、嫌な主義だから。」




 佐々木さんからタバコ代の200円を受け取りました。





 ・・・・・・・・・・




 ・・・・・・・・・・




 ・・・・・・・・・・




キマリ「・・・すっげぇタイムロスじゃん!!恐ろしくてコンロなんてもう借りられないよぉ!!(泣)」

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