ハートサポーターズ奮戦記
露草
第1話 桜舞う道と新たな一歩
春の陽射しが優しく降り注ぐ午後、リナは一人で緑ヶ丘市民センターへの道を歩いていた。風が吹くたびに桜の花びらが舞い、まるで絨毯のように道路を彩っている。その美しい景色を眺めながらも、リナの胸には小さな不安が広がっていた。
リナは小学6年生。この春から、自分の体が少しずつ変化していることを意識し始めたばかりだ。特に最近、母親に勧められてカップ付きインナーを身につけるようになったことで、自分の成長を実感しつつも、その変化に戸惑いを感じることもある。まだ体に馴染んでいないインナーを気にして、時折着ているカーディガンの裾を引き直す仕草をしてしまう。
「大人になる準備を少しずつ始めていこうね」
という母親の優しい言葉を思い出すが、それでもどこか落ち着かない気持ちを抱えていた。
「アカリ、もう来てるかな…」
リナは小さく呟いた。友達のアカリとは会場で合流する約束をしていた。一人で向かう道中の緊張感と、会場でアカリと再会したらきっと安心できるという期待が入り混じり、リナの胸は複雑な気持ちでいっぱいだった。
桜の木の下を通り抜けるたび、舞い散る花びらが肩や髪にふわりと触れる。リナは少し立ち止まり、花びらを手のひらに受け止めながら、小さく深呼吸をした。柔らかな春の香りが心を落ち着かせてくれるようだった。
「大丈夫、アカリがいるんだし。」
リナは自分に言い聞かせるように呟いた。成長期の体やこれからの自分について学ぶイベントに参加するのは初めてだ。知らない人ばかりの場所に行くことへの緊張はあったが、「アカリと一緒ならきっと楽しい」と期待も膨らんでいた。
地域センターの扉が見えてきた。ガラス越しに見える明るい会場の雰囲気に、リナの足取りは少しだけ速くなった。扉の前で一度立ち止まり、心の中で深く息を吸うような気持ちで気持ちを整える。
「アカリ、ちゃんと待っててよね。」
リナは小さく呟き、扉を押した。中から聞こえる楽しげな声や明るい音楽に包まれ、少しだけ緊張が和らいだ気がした。
今日は「ブラボーフェス」に参加する日だった。胸の成長やブラジャーの重要性について学ぶこのイベントを教えてくれたのは、クラスメイトのアカリだった。
初めて参加するイベントに一人で向かうことに不安を感じながらも、会場でアカリと合流できるという安心感がリナを少しだけ勇気づけていた。
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