第6話 マジュロ沖海戦勃発
空母鳳炎艦橋
「敵機動部隊とは昨日の観測から予測するとおおよそ700㎞といったところか....」
急遽編成されたマジュロ沖敵機動部隊撃滅艦隊の旗艦鳳炎に乗り込んでいた鳳炎艦長兼艦隊司令の阿部は何か考え込みながら、艦内放送で、
「艦隊司令の阿部だ。戦闘は明日になるだろう。皆は睡眠と手入れを怠らないように」
といった。
翌日1942年6月1日7:10
それは、朝のモーニングタイムのことだった。突如として警報が鳴った。
「対空電探感あり!!」
報告がはいる。
「各員戦闘配置につけ!!」
それほど立たないうちに敵機が目視でとらえられた。だが脅威ではなかった。艦隊直上には風翔20機が直掩しているし対空火器の準備も整っていたからだ。その後敵機を撃滅するとすぐさま殲滅作戦が発動された。
そして、8:24同艦隊所属呂450号潜水艦より入電。
『我、敵艦隊補足セリ。コレヨリ攻撃二転ズル。』
そう。この作戦は開戦当初に立案されていた漸減邀撃作戦を参考にされ作られた作戦である。
呂450号艦内
「長、敵艦補足」
電子員が集中しているような低い声で喋る。
「了解。第一、第二発射管注水」
「注水完了」
「てぇー!!」
発射されたのは潜水艦のためだけに作られた九一式潜水酸素魚雷だった。もちろん効果は抜群。
敵駆逐に命中。轟沈した。
「敵駆逐に命中!敵艦轟沈!!」
「よくやった。つづいて、第三第四発射管にも注水。第一第二発射管は装填急げ!」
「第三第四発射管注水完了!」
「了解。目標前方敵戦艦。てぇー!!」
魚雷は敵戦艦左舷に一発のみ命中。そんなこんなしていると、敵の駆逐隊が迫ってきた。
「急速潜航!鈴木、伊号に打電!」
米艦隊右舷側 伊200号潜水艦
「呂450号より入電!『我、囮二ナル』とのことです」
「了解した。全発射管注水。目標前方敵戦艦。注水完了次第発射はじめ!」
発射管室
「てぇー!!」
〔プシューン〕
発射音と共に爆発音が聞こえた。そう。命中したのだ。
「あたったぞ!!」
「急速潜航!後は鳳炎航空隊に引き継ぐ!」
空母鳳炎
「艦長、第二次航空隊発艦準備完了!」
「了解。発艦始め!!」
第一次攻撃隊
「まさか、彗星・天山の製造が間に合うとはな」
攻撃隊隊長 村田は呟く。
「隊長、敵艦隊見えました!」
村田はこくりとうなずくと、機体を揺らしながら指を下にさした。それと同時に攻撃隊は急降下した。
「魚雷投下用意!てぇー!!」
それと狙われたのが先から潜水艦隊に狙われていた新型戦艦 サウスカロライナだった。左舷に次々と魚雷が命中。艦が大きく左に傾き、彗星の急降下爆撃が決定打となり、サウスカロライナは沈没した。他にも敵空母ワスプの甲板が破損。離着艦が不能となった。
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