第11話 蛙
雨が降る夜道。
小澤が帰る道は、街頭の少ない川沿いの細い道だった。
「相変わらず、蛙の鳴き声がうるさいな」
川沿いの茂みから蛙の鳴き声が無数に聞こえる。
ゲコ…ゲコ…ゲコ…
「薄暗い夜道で、この鳴き声を聞いてると不気味なんだよな…、あっ!」
小澤は何かを踏んだ感触を足に感じた。
「うわ…、マジかよ…」
足をどけると、潰れた蛙がいた
「気持ち悪いなぁ」
小澤は足を地面に擦り付けて、靴の汚れを取った。
次の日、小澤は昨日と同じ道を帰っていた。
ゲコ… ゲコ… ゲコゲコ……
「ちっ、うるさいなぁ」
蛙の鳴き声にイラっとする小澤
ゲコ…ゲコ…ゲコ…ゲコゲコ…ゲコゲコゲコゲコ…ゲコゲコゲコゲコゲコ…
「なんか昨日よりうるさくないか?」
ゲコ…コイツカ…ゲコ…コイツカ…ゲコ…
「え?人の声がしなかったか?」
コイツカ…コイツカ…コイツカ…コイツカ…コイツカ…コイツカ…
「!っ、誰だよ!?」
小澤は辺りを見渡したが、誰もいない
コイツダ…コイツダ…コイツダ…コイツダ…コイツダ…コイツダ…
「なっ!?」
小澤の前の道には、無数の蛙がびっしり埋まっていた
「なんだよ…この蛙の数…」
小澤は引き返そうと振り向くと、後ろの道にもびっしりと無数の蛙で埋まっていた
「ひいっ」
小澤が呟いた瞬間、無数の蛙が一斉に小澤に飛びついた
「うわあああああ」
小澤は意識を無くした
「ん……」
目を覚ました小澤は、大きな道路に寝ていた
「なっ、なんでこんなところに……
うわああああああああ」
叫んだ小澤にトラックが突っ込み、小澤はトラックのタイヤに踏み潰された
ゲコ…ゲコ…ゲコ…ゲコ…ゲコ…ゲコ…
どこからか、無数の蛙の鳴き声が響いていた
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