第25話
「――レオン様、またお呼び出しですわ。」
朝食を終えたばかりの僕のもとに、セシリアが優雅に歩み寄ってきた。
「また王様から?」
「ええ。何か重要なお話があるそうですわ。」
「……昨日の試験のことかな。」
王宮に滞在してから、僕はすでに何度も王様と謁見してきた。
最初は"セシリアの護衛"という名目だったが、最近は"未知の魔力を持つ者"としての扱いが強くなってきた気がする。
「嫌な予感しかしません……。」
「ふふ、大丈夫ですわ、レオン様。」
そんなことを話しながら、僕たちは謁見の間へと向かった。
◆
「来たか、レオン。」
謁見の間には、すでに王様と宰相、それに何人かの重臣たちが集まっていた。
「お呼びいただき、光栄です。」
僕が頭を下げると、王様は満足げに頷いた。
「昨日の試験、見事であったな。お前の魔力の性質が明らかになったことで、王国にとっても大きな意味を持つことになった。」
「……はあ。」
「だがな、レオン。ここで一つ、お前に頼みたいことがある。」
王様の視線が鋭くなる。
「王国に代々伝わる《秘宝》の封印を解く役目を、お前に任せたい。」
「……え?」
宰相が前に出て、説明を続ける。
「王国には、古代より封印されし秘宝があります。しかし、その封印は強大な魔法によって守られており、解放するには"全ての魔法に適性を持つ者"が必要とされてきました。」
(……全ての魔法に適性を持つ者?)
「レオン殿は、まさにその条件を満たす存在。つまり、秘宝を解放できる唯一の人物ということになります。」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
突然の話に、思わず声を上げる。
「僕、そんな大それたことをするつもりは……!」
「だが、これを放置することはできぬ。」
王様は厳かに言う。
「秘宝には、王国の未来を左右する力があるとも言われている。もしお前の力で封印が解けるなら、それを試さぬ手はないのだ。」
(また面倒なことに巻き込まれた……!)
「……で、もし拒否したら?」
恐る恐る聞いてみる。
「無理にとは言わぬ。だが、お前自身の力を知る機会でもあるのだ。……試してみる価値はあるのではないか?」
「……。」
王様は無理強いをするつもりはないようだった。
でも、このまま逃げるわけにもいかない。
(自分の魔力のこと、僕自身もまだよく分かっていない。)
だからこそ――
「……分かりました。一度、その封印を見せてもらえますか?」
「うむ! よくぞ言った!」
王様が満足げに笑う。
こうして僕は、王国の秘宝と向き合うことになったのだった。
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