第2話
「雪が降るような場所なのにこんな服なんて耐えられない!!
厚手の上下の服!長袖で!並びにコートと手袋!できればマフラーと毛糸の帽子を要求する!!」
立ち上がって叫ぶ私をきょとんと見上げる男三人。
「でも、今着てる服、かわいくて似合ってるし」
「そりゃ、似合うように毎晩筋トレしてるもの!内腿の空間作るのとうっすら浮かぶ腹筋を作る苦労を知りなさいよ!」
「やだ!冬もお腹見たい!夏限定なんてもったいない!」
「そもそも夏だって着たくないわ!
夏の山の中なんて虫も出まくりだし、草とか皮膚にあたって切れたりするのよ!
まあ、春と秋は着てもいいよ、かわいいし」
「でも女戦士はちょっとしたお色気担当だし、年間通してヘソは出して欲しいよね」
「はあ!?セクハラ!!」
「でも、魔女子ちゃんだってスカート履いてるよ」
「ロングスカートな上、厚手のローブ着てるじゃん!それにスカートの中、裏起毛のズボン履いてるし。ヒートテック2枚の重ね着の上にカシミアのセーターまで着て、ホッカイ○貼りつけてるわよ」
「ええええ?!」
「高い跳躍してる時、ドキドキして見てたのに!」
「男のロマンを返せ!」
「知るか!
だいたいあんたたちだってごっつい服着てるじゃない!私だけこんな薄っぺらいの着てるなんてズルい!」
「あ、じゃあ女戦士もホッカイ○貼ったら?ホッカイ○代は特別に経費で計上していいよ」
「直貼り禁止です!」
「あー、もう!ダメ!女戦士の制服は代えません!勇者命令です!」
「はあぁぁぁぁぁあ!?横暴だわ!」
「勇者ダメだよ、そんな言いかたしちゃ。訴えられちゃうよ。
ここは民主的に多数決をとろう。
女戦士の服装がこのままが良いと思う人~」
男達三人がはーい!と元気よく手を上げた。
「はい。決定」
「あの、ちょっと待ってください。
そんなふうに多数決をとるなんてダメです」
今までだまっていた魔女が、胸に両手をあてて、遠慮がちに話し始めた。
「女戦士の体調管理も大切だと思うんです。風邪ひいたらたいへんですし、女の子はお腹を冷やしちゃいけないっておばあちゃんが言ってましたし」
おおお、魔女が私の味方になった!
「ですから、せめて羽織ってるマントを厚手のものにしてはどうでしょう?倒した魔獣の毛皮でファー付きのマントとか、絶対かわいいと思うんです」
男どもが顔を付き合わせてこそこそと相談し始めた。
「うーん。まあ、マントくらいなら…ヘソ見えてるし、いいんじゃないか?」
「マントの隙間からチラ見えってゆーのもエロいと思いますよ」
「ファーと素肌とかエロくてサイコーだよな」
エロ基準って最悪だな。
でもって全部聞こえてるよ。
「じゃ、厚手のマントで決定な」
やったあ!
ホワイトベアとかでないかな~。そしたらファー付きじゃなくて、ファーのロングマントにするのにと思ったその時!
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