映写機

 映写機はカラカラと音を立てながら俺達に映像を見せ続ける・・・


 皮膚がただれて垂れ下がり柳のようになっている人

 死体が無造作に扱われて山を築き燃やされるところ

 子どもを失って、さまよいながら子の名前を叫ぶ人

 その人も声をからして次第に弱り地面にへたり込んでいった


 そうして動かなくなった・・・・



 いろんな映像を見ていた・・・・どれくらい見ていたかはわからない・・・


 でも、俺達は片時も目を離せなかった・・・

 

 人が起こした惨劇を人が繰り返そうとしている惨劇を・・・



 (カラカラカ・・ララ・・・)

 映写機が止まる

 

 そして映像が止まった時、俺達はハッとする


 「長い映像を見てくれてありがとう・・・疲れてないかい?」

 少年の問に俺達は大丈夫だと返すと


 「そうか・・・良かった・・・」

 少年は安心したように顔を綻ばせる


 「君たちには僕の本当の姿を見せておこうと思う・・・あのときは小学生だったから・・・大人になった君たちなら・・・大丈夫」

 少年はそう言い聞かせるように言うと帽子を顔をかすめるように取る


 そうして現れた少年の顔は目玉もなく髪もない顔の半分が欠損していた

 「この姿で会うのは初めてだよね・・・」

 そう言いながら火傷でただれた手で頭をかく


 「今日、君たちには伝えたいことがあるんだ・・・」

 少年は続ける


 

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