第10話

それにしてもるなもの制服姿はよく似合う。美少女が余計に美少女度合いを増してるように見える。るなもが一人でいたら、ナンパされまくりだろうな。実際に男の集団から、話しかけようか迷ってるやつもいたし、俺がとなりにいるから、普通の奴らは話しかけてこないが。


「るなも一人でよく渋谷に行くのか?」


「一人じゃ行かないよ。ナンパされるし。大体女子の友達といったりはするけど。友達と行くと、たいていナンパ師以外にはナンパされないし」


連れがいると、ナンパされないんだな。女子でも。そもそもナンパしようと思ったことがないから、ナンパするやつの気持ちは分からんが。まぁ面食いだから、あの娘可愛いなと思うことはあるが。


「そうか、それなら俺がとなりにいるだけでも役に立っているってことだな。それならよかったわ」


「役に立つだけじゃなくて普通に楽しいけどね」


ふふと笑いながら、るなもは言った。やっぱりるなもは天使だな。まじでトップアイドルになれる資質を持っているわ。もうあれだアイドルになったら、俺が仕切るオタクで中心になって応援するまである。そしてるなもをトップにする。


「楽しいとまで言ってくれるなんて、親しい先輩めいりに尽きるな。るなもの先輩でよかったわ」


るなものアイドルとして素質は天を越えるレベルだろう。天はダンスのキレなら、天に分売が上がるが、アイドルとしての笑顔だったり熱狂的なファンができるのはるなもだろう。るなもの笑顔は万人に受ける。


「ふふ、私も隆景先輩の後輩でよかったよ」


いつかこの笑顔を独占する彼氏ができると思うと、胸が痛いな。まぁでも振られたならきっぱり諦めるしかない。今から好きになってもらうなんて、奇跡に近いんだから。せめてるなもの好きなやつがこいつには敵わないというぐらいの男なことを祈ろう。


「っとついたみたいだな」


「ここかー、外観はなかなかおしゃれだね」


俺たちは中に入ると、大人のイケメンだったり美人がたくさんいた。まぁるなもは全然負けてないが。だがとなりに俺がいるのは不釣り合いに感じるのがあれだが。


俺たちはコース料理をか頼んだ。まぁ一万いかないくらいで、ちょうどいいぐらいの値段だからな。それにコース料理っていうのも興味があるし。


「すごい大人って感じがする店だね。制服で来ているのは浮いちゃっているよ」


「るなもは美少女だから、めちゃくちゃ浮いたりはしてないぞ。何を着てるかじゃなくて誰が着ているかだからな」


美少女が制服を着ている分にはどんな大人のおしゃれな店でも映えることにかわりない。俺みたいな平均な男が制服を着ていると、浮くがな。それでもるなもと来ているお陰で周りからは変な目で見られないからよかったが。


「そうかな、まぁいいよね、せっかく来たんだし、料理を楽しもっと」


「それがいいな。それで次はどんな店に行くんだ?」


「資金的に厳しいから、多分買うことはないけど、アクセサリーショップだよ。次来た時に買うためにね」


もし欲しい目で、見ていたら、俺がこっそり買うのもありか。まぁ高すぎなきゃだが。千葉県に行ったら、新しいバイト先も探さないとな。じゃないと買いたいものが買えなくなるからな。アイドルグッツとかアニメグッツとか。ライブにも行きたいし。お金はあるに越したことはないし。


「そうか、それならいいものが見つかるといいな」


そんなことを話していると、料理が来た。まずは前菜だ。俺たちはいただきますと言って食べ始めた。素材の味がでていて美味しい。さすが三ツ星シェフの作る料理だ。他のイタリアンの店とは味が違う。これならパスタも期待できそうだ。


「美味しいね。一万でこの値段はコスパがいいよ」


「パスタが楽しみだな。ここを選んで正解だったな。常連になってもいいレベルだ」


引っ越すから、滅多に来れないが。東京にでるときはここに来るのもいいかもしれない。今度るんも連れてくるか。まぁ周りがカップルだらけなのは気になるが。るなもと来てるから、周りから見たら俺達もカップルに見えてるんだろうか?それなら嬉しいが。


「そうだね、パスタが楽しみだよ」


そんなことを話しながら、前菜を食べ終わると、パスタがでてきた。量はそんなに多くないが、質にこだわっているのが分かるから、より美味しいんだろうなと感じる。俺は1口パスタを食べる。


「美味しい。今まで食べたどのパスタよりも」


「うん、スパイスがオリジナリティがあって美味しいね。うまく言葉にできないけど。かなり美味しいのは確かだよ。今まで色んなパスタを食べたけど、その中でもトップクラスの美味しさだよ」


それかでてくる料理も食べたが、どれも絶品だった。高級ホテルで、でてくるレベルの料理の数々だった。るなもも満足げだからよかった。俺達は会計を終えると外へでた。るなもはまた来ようねと言って、笑顔を浮かべる。これを見れただけでもここに来た甲斐があった。


「そうだな、また来るか」


引っ越してもるなもと会いたいしな。月1ぐらいなら、東京に来ることもあるだろう。引っ越すのは千葉市だから、そこだけで完結できるから、滅多に東京に出てくることはないからな。それでもるなものためには時間を作って、会いに行くとしよう。












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