第6話

るなもは笑顔でパスタを頬張っている。そんなにパスタ好きなのか。これは新たなるなもの好きなものの情報が一個追加されたな。イタリアンが好きなのは意外だったが。


「るなもはパスタが好きなのか?」


「うん好きだよ。後はグラタンも好きかな」


「パスタなら作れるから、明日俺が作ってこようか?」


「え?!パスタ作れるの?食べてみたい」


まぁペペロンチーノとたらこスパゲティしか作れないが。さすがに姉さんが普段作ってるから、凝ったものは作れない。それと姉さんの料理を越えるものは作れないからな。


「それじゃ明日作ってくるよ。ペペロンチーノでいいか?」


「ペペロンチーノ好きだよー」


よかった好きなのを作れて。るなものことは吹っ切れているとはいえ、まだ少し好意は持っているから、喜んでいる顔は見たいっていうのはある。るなもの美味しそうに頬張る顔は可愛いしな。


「それじゃ作ってくるわ」


「ありがとー」


俺達は互いの弁当を食べ終わり、どっちもアイドル好きなので、その談笑をしていた。


「やっぱり櫻坂っていいよねー。はぁー私もアイドルになりたいなぁー」


「るなもほどよ美少女なら、アイドルになれるだろ。るなもでなれないなら、大半のやつがなれんわ」


するとるなもが顔を赤くする。俺なんか恥ずかしいこと言ったか?誉めただけだと思うんだが。


「び、美少女なんてそんなに下心なしで、さらりた言われたら照れるよー」


言われ慣れてると思ったが、下心なしで言うやつはいないのか。みんなるなもに好印象を残したくて言っているのね。俺は素直に可愛いと思ったから、言っただけだが。正直顔はめちゃくちゃタイプだしな。るなもより可愛い人にあったことない。


「るなもはもっと自分に自信持った方がいいと思うぞ。きっとトップアイドルになれる」


トップアイドルの姉さんを見てきたから、間違いない。グループ自体が有名というのもあるが、個人として魅力的だし、人気もグループの中でトップクラスだ。そんな姉さんと評価はるなもは変わらない。だからきっと人気になれるだろう。それくらいの魅力をるなもは持っている。


「楚歌まで誉められると嬉しいなー。私やっぱりアイドル目指してみようかな」


まあもう付き合うことはできないし、止める理由はない。それにアイドルになってくれれば理由つけて、ライブに行って、定期的に会いに行けるしむしろいいかもな。


「やってみろよ。俺は応援するぞ。るなもならどこのアイドルグループにも入れると思うしな」


「ありがとー。募集しているアイドルグループ探してみるね」


そんなこと話していると、昼御飯が食べ終わった。相変わらず姉さんの作る弁当は美味しかった。これより美味しい弁当はないんじゃないかと思うほどだ。姉さんは家庭のことなら、かなりできる方だろう。時々天然やポンコツを出してくるが。


「それにしても隆景先輩のお弁当色鮮やかだね。誰が作っているの?」


「姉さんだ」


「どんな感じの人なの?」


「天然だが、優しくて、可愛くて、リーダーシップがあるな。それと謙虚で上品だ」


元々姉さんの家はお金持ちだから、上品さがあるのだろう。あそこまでの美人も早々いない。それくらい特別な存在感がある。


「へぇーすごい人なんだね」


「まぁな、そろそろ教室に戻るか」


「そうだね」


昼休みの終わりの時間がきそうだったので、俺達はそれぞれの教室に戻ることにした。るなもは始終笑顔だったのが印象に残った。そして、階段についたので、そこで俺達は別れた。


俺はクラスに入ると、嫉妬半分、興味半分といった視線を受けた。嫉妬の大半の視線は男達だが。俺はそれを気にしないで、席に着く。いじめが起きなければ気にするほどでもない。るんと一緒にいるとこいうった視線はよく受けるからな。


そして数学の授業寝ながら過ごしていた。だって俺は大学受験で数学使わないから、勉強しなくても問題ない。決して苦手だからやらないという訳じゃないぞ?必要ないからやらないだけだからな。俺は無駄をしないタイプなんだよ。


そうやって寝て過ごしていると、あっという間に授業が終わっていた。6限目は普通に受けて、一日の授業が終わる。それにしても理系科目がこの学校より難易度上がるって、赤点を取らないか心配だ。るんに教えてもらうか。


そう思いながら、帰る準備をしていると、ドアにるなもがいた。やっぱり絵になるよなるなもって。通りすぎる皆がるなもを見ている。本人は気にしてないようだが。


俺は帰る準備を終えると、ドアにいるるなもに話しかけた。


「るなも一緒に帰るか?」


「うん、一緒に帰ろう」


俺達はクラスの人の視線を受けながら、教室をでた。下駄箱で靴に履き替えて、学校をでた。


「そう言えば隆景先輩ってひかる先輩と幼馴染みなんだよね?」


「まぁな、正直なんで俺にこんなに親しくしてくれてるか分からないがな」 


るんは昔から美少女だったから、かなりのイケメンとかに誘われてたりしたが、それを断って、俺と一緒にいることが多かった。一緒にいてもそこまで楽しくない俺といるのかが不思議だが。


「隆景先輩は優しいし、安心感があるからね。ひかる先輩の気持ちも分かるよ」


安心感か、それなら納得だな。俺には気を遣う必要がないし、下心もないしな。そんなことを思っていると、駅に着いた。




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