第6話 作戦

 奈央への想いをしっかりと持てたうちは、いつも通り学校生活を送っていた。けれど、今まで通りじゃ何も進展しない。どうにかしなければと思っていた時にうちに声をかけてきた人物がいた。

 「麻希!」

 「ん?なに〜?…っ愛桜か笑 どうしたの?」

 「ーーッ!その、今日一緒にお昼、食べない?話さなきゃいけないことがあるの。」

 「おっけ。どこで食べる?」

 「じゃあ、四階の東階段で食べよ」

 「わかった」

 【東階段って授業で移動がない限りあまり人が通らないとこだけど…、なんでそこなのかな…。まあ、いけばわかるか】

 「麻希〜?そんなとこでどうしたの?」

 「あっ奈央。なんでもないよ。愛桜にお昼に誘われただけ」

 「…。私も一緒じゃだめ?一緒に食べよ?」

 「ごめんね。うちも奈央と一緒にお昼食べたいけど、二人って約束しちゃったから。無理なんよ」

 「ーッ!そっかぁ〜。わかった!楽しんで!」

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 「ごめん愛桜!待たせた!」

 「ううん!大丈夫!」

 うちらは少し気まずさを感じながらも、一緒にお昼を食べた。人がいなかったので、人前ではできないような同人誌の話をたくさんできて、かなり楽しめた。

 「んでさ、話さなきゃいけないこと、あるんでしょ?なんかあったの?

 「うん。あのさ、この前、私に麻希が自分が女の子を好きになったらって話してきたじゃん?」

 「ーーッ!うん…。」

 【なるほど。この話をするためにここを選んだという訳か…。気を使わせちゃったな】

「あの時、私、あまりにも真剣な表情で聞いてこられて戸惑っちゃって、酷い反応をしたと思う。でも、その後の麻希の表情がすごく辛そうで、自分を信頼して話してくれたんだろうなってわかった。あの時はしっかり応えられなかったけど、今はしっかり言える。麻希が誰を好きになっても私は応援するよ。ヲタ友なんでね!笑」

 愛桜は笑顔でそう言った。うちは、愛桜がもう親友に戻ることができないくらい遠くに行ったように感じていたけれど、それは違ったみたいだ。

 「ありがとう…愛桜がヲタ友で本当に良かった。本当に、本当にありがとぉ〜」

 「泣かないでよ〜笑 泣いたら、奈央達になんて言い訳するの笑」

 「そうだけどさぁ〜嬉しくてさぁ〜」

 「はいはい笑 それはそうと、どうやって奈央を落とすか、考えなきゃじゃない?その辺はなんか、考えてるの?」

 「グッ…。いえ…。全く考えておりません…」

 「だろうと思った笑 いっつもそうだもんね笑」

 「うるさいな〜しょうがないじゃんか。一回も恋愛したことないし、まずまず女の子を好きになること自体、今のうちからしたらイレギュラーなんだからさぁ」

 「まぁ、恋愛経験はないだろうけどさ…、知識はあるでしょ?」

 「…?どういうこと?」

 「麻希、根っからの腐女子じゃん?たくさん、漫画読み漁ってるじゃん?まぁ、そこには当然恋愛フラグなるものが多数存在しているわけでぇ〜それをたくさん見ているってことは〜?」

 「…!うちは恋愛フラグとかイベントの博士ってことか!!」

 「そそ!そういうこと!その知識、使えるんではなくてぇ〜?」

 「うんうん!めっちゃ使えるよそれ!」

 「愛桜に相談して良かったよほんと!まじありがとう!」

 「ヲタ友なんでね!うちも、この脳に詰まった百合知識を惜しみなく君の助けに使うと誓うよ!」

 「あぁ〜ありがたき百合の神よ!」

 【うちは、やっぱりいい友達を持てたな。こんなにも、心強く感じるなんて、やっぱり、ヲタ友っていいな笑】

 「んじゃあ、うちらのこの知識で奈央を好きにさせよう大作戦開始!!」

 「おー!!」

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