同人誌でたくさん勉強したJKはその知識を親友に注ぐ

ちくわです

第1話 違和感

 「ふあぁ〜よく寝たぁ〜」

 動きたくないと言っている体を動かし、洗面台で顔を洗い、髪の毛を整える。自室に戻り制服に着替えて、一階で朝食をとる。これがうちの朝だ。何も変わり映えしないので、できれば何か刺激が欲しい。

 「行ってきまーす。」

 親はすでに仕事に行っていて、家にはペットの鳥しかいないけど、とりあえず言っておくのもうちの習慣の一つだ。

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 「麻希おはよ〜」

 「おはよ〜。今日奈央早いね。」

 「そうなんだよね。今日は早起きできてさ。頑張った!」

 うちの友達、木村奈央は誇らしそうにそういった。奈央は、中学二年からの仲で親友とも呼べる存在だ。

 「ねね。今日ってもしかして英単語の小テストある…?」

 「うんあるよ。しかも一限に。」

 「嘘じゃん!英語なら四限にもあるのに!なんでよりにもよって一限なんだよ!!」

 「昨日言ってたって笑」

 「まじ?じゃあうち寝てたかも…」

 「二人ともおはよ〜」

 「あっ夏。おはよ〜」

 佐藤夏も中学二年からの仲で、奈央と同様うちの親友とも言える存在だ。女同士の三人組は失敗すると言われているけど、うちらはそんなこともなくずっと仲良しでいられた。それは二人の性格の良さ故だと思う。この二人はうちの中で一番大切な友人だ。

 「ねぇ〜夏は小テストの勉強した?!てかテストあること知ってた?一限って絶対詰んだんだけどぉ…」

 「勉強したよ〜。今回の範囲、結構覚えにくいかったよね。」

 「んね。結構難しかったよ。それに今回だけ5問テストに追加されるって言ってたから、今回は直前勉強は危ないかも…」

 「うそ〜ん泣いつもそれで乗り切ってきたのにぃ泣」

 「まぁ、麻希ならなんとかなるよ。」

 「そうそう。なんとかなるって言ったらなんとかなっちゃうのが麻希でしょ!大丈夫だって。」

 「まあそっか。じゃあ、頑張りますかね。」

 そう言って各々席について小テスト勉強を始めた。

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 「あぁ〜お腹減った。空腹で死にそう…」

 「んね〜。お腹減ったねぇ〜」

 「購買で何か買う?」

 「ん〜。でも遠いんだよね…。」

 「それもそうだよねぇ〜」

 「奈央はどーしたい?」

 「う〜ん。麻希に合わせるよ。」

 奈央と二人で話す時間、夏と三人で話すのも楽しいけど、なんだか別の楽しさがある。なんというか、心が穏やかになっていく気がする。

 「奈央〜。トイレ行かない?」

 「あっ佳奈。いいよ」

 「ごめんね。ちょっと話したいこともあってさ。」

 「いいよ。ちょっと言ってくるね。また後で話そ、麻希。」

 橋田佳奈。あんまり話したことはないから、特に何も感じなかったけれど、その時はなぜか心がすごくモヤモヤした。

 「ん?何この感じ…」

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