矛盾たんごの薔薇色さん
矛盾たんごの薔薇色さん
ばら‐いろ【薔薇色】 の解説
1 うすくれないの色。淡紅色。「頰を—に染める」
2 希望・幸福などに満ちていることのたとえ。「—の人生」「—の前途」
私は薔薇色。文字通り薔薇色よ。
私の意味は、希望や幸福に満ちているたとえ。例文を出すと、宝くじに当たって薔薇色だ。とかね。
でもね、その本人(本語句)は全然薔薇色じゃないわ。人間に全く言葉で使われず、虚しく辞書の【ば】の位置に挟まっている悲しき単語なのよ。
使われない原因は分からないけれど、やっぱり人間の住む世界は薔薇色とは程遠い暮らしを強いられているのかもしれないわね。
でもそれは私も同じ。同じ【ば】のいちに挟まっている馬鹿君は、毎日楽しそうに今日も使われたとはしゃいでいる。彼のほうがよっぽど薔薇色よ。
私は彼に嫉妬しているの。私も【馬鹿】みたいな単語が良かったと思っているの。
毎日、鏡を見て思う。
なんで私はこんな言葉に生まれてきたのかしらって。考えても答えなんて出ないのでしょうけれど、それでも薔薇色は私に務まらない。
嫉妬とか、不細工とか、ネガティブな言葉の意味のほうが私に合っている。芽生えてはいけない芽が心に生えてきたの。
ある日、カクヨムのお題に【薔薇色】が選ばれた。一夜にして私は馬鹿君を追い越した。
夢見る小説家がネットで薔薇色と検索し、私の周りは光で溢れ出したの。
そうよ、今私は文字通り薔薇色よ!
皆が薔薇色と検索して私の意味を知り、そしてその情報を下に想像力を掻き立てる。それらは広がり、物語として構築されていく。
薔薇色がカクヨムに埋め尽くされ、私はその全てを読み尽くしたわ。これから私は薔薇色になる。薔薇色であり、薔薇色。表裏一体の言語になるのよ!!
【薔薇色のお題、期日。1月13日まで】
ま、待ちなさい。それを過ぎればどうなるの!?
【次のお題が提出されます】
あまりにも短すぎるわ! それだと作品を完成できない小説家も量産しちゃうんじゃないの! それはマズイと思うのだけれど!
ねえ。カクヨムの運営さん、考えを改め直していただけないかしら。
私はこれからも薔薇色でありたいの!
薔薇色でありたいのよおおおおおおおおおお!!!!!
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