Ego/Magic.Fantasy~異世界に轟く吸血鬼の覇道~

半目真鱈

番外編

瘴鬼伝説

 カーミラと呼ばれる吸血鬼が誕生した世から、遡る事500年ほど昔に、その災厄は現れた。


 当時は、今の世と違い高貴なる吸血鬼が繁栄していたが、そんな吸血鬼の中でもトップクラスの強さを誇る王が、更なる力を求めて、己らの種族にとっては、酸素となりえる瘴気を過剰なまでに吸収したことで、新たなる位階に、足を踏み入れた。


 その者を表す種族名こそが、瘴鬼王と言う種族名であり、高貴なる吸血鬼の中から生まれた。最大にして最強、そして何よりも最悪の特異点である。


 吸血鬼にとっては、当たり前に存在する本能、吸血衝動と殺人衝動…それを理性と自我を持って沈めると言われる高貴なる種族に似合わず、己の本能のままに躍動する王は、人型の災害とも称される。


 王は古今東西の人々、そして生命の源と言える土地を殺して回った。


 そうして一つの大陸を殺しきった頃に、己の中の本能が荒れ狂い、暴れまわり、その土地を未来永劫に渡って呪い殺す大瘴気大瘴鬼となり大陸と同化した。


 王は崩御した。


 その王の崩御に民草は沸いて、…そして、その王を生み出した吸血鬼を憎んだ。


 理性と自我を持って強大な本能を抑える高貴なる種族は、たった一人の災厄を放ったことで、人々の憎しみの対象となり、神々の敵と称される神敵となりえた。


 それから1年も経たずに吸血鬼はこの世界から消えうせた。…今の世には、高貴なる吸血鬼が存在したと言う僅かな証拠と、その、高貴なる吸血鬼とは言い難い程の、己の本能に従う獣しか存在しえない。


 これは、既に消えうせた。高貴なる吸血鬼の…滅びのお話である。



 —————————

 あとがき

 皆さまここまで読んでくださって、ありがとうございます。

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 このお話に登場した瘴鬼王が暴れまわったことで、遍く神々や人々は、吸血鬼を恐れて、殺しまわった事で、この世界で真に吸血鬼と言えるのは、主人公であるカーミラちゃんだけになりました。


 一応は、この世界にも吸血鬼と言える種族は居ます。ですが、人々と見まがう程に血の薄い個体、ゾンビ等から進化した個体、等々吸血鬼と言える種族自体は存在しますが、お話でもある通り、本能のままに動く偽物の吸血鬼しかこの世には残っていません。



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