第3話 暴論の自由

 パー子に理科・社会を教える。


 気体の反応

=「酸素は二酸化マンガン+過酸化水素水」「二酸化炭素は塩酸+石灰石」

など、当方も懐かしく思い出しながら、一通り教え込んだあとのことである。


父 「酸素は何と何が反応して出来る?」

P子「お~思い出した。光合成。」←完全に別世界


父 「このザル!」(怒)


 パー子には7歳になる弟、ペーがいる。

 ペーは「お姉ちゃん、僕がN研行ってあげようか?僕が勉強してあげるから」と

親切で言う。


 しかし、小学校2年生のペーはカタカナの「ン」と「ソ」がよく分からなくて、

 いまだに好きなサッカー選手の名前を「エメルンソ」と書く。

 (浦和レッズにいた選手)

 (注:誤=エメルンソ 正=エメルソン)


 ひらがなも怪しい。


 ペーの作文

 「この間おじこさんの家に行きました」


父「おじこさん?誰だ」

ペー「誰それ?僕知らない」


「い」を「こ」の区別がイマイチなペーであった。

(注:誤=おじこさん 正=おじいさん)


 N研に行く?言うのはタダだし自由だが

 「文盲にならない」それがペーの当座の目標だ。


 そう言えば今年の運動会の勝負に、パー子は感動して泣きそうになりながら叫んでいた。

 「渋幕行っても応援しに来るよ~」 

 (注:渋幕=渋谷幕張。難関校で、パー子ごときが口に出してはいけない学校)


 せっかく「来ていい」というのに断る人もいれば、許可なく勝手に行く奴もいる。


 日本には言論の自由がある!

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