アレンのキセキ〜ゲームに似た世界で〜
SR
第一章
第1話 プロローグ
フルダイブ型VRRPG「
俺が中学1年生の時に発売され、早5年いよいよ運営から最後のアップデート情報が発表される。
俺は「
「ジョウキ」はフルダイブ型VRが発売されてから間も無く発売されたゲームであり、超王道中の王道RPGだ。そのせいか、少々モンスターの名前などが雑なところもあり、賛否両論分かれたが俺はこのゲームをやりこんでいた。
俺がなぜこんなにもこのゲームをやりこんでいたのか…それを一言で言うならばやり込み要素が満載なところにあるだろう。
アップデートのたびに追加されるモンスター、街、
あげたらキリがないが、とにかく俺は「ジョウキ」が好きだった。
そして、やり込みが大好きなのだ。
実はメインストーリー自体は短い。レベル60もあればクリア出来てしまう。だが、やり込み要素は無限大だ。アップデートで追加されるからな。
「お、もうそろそろ総プレイ時間10000時間じゃん。」
俺は「ジョウキ」にフルダイブしながら公式の最後のアップデート情報配信を待っていた。(フルダイブしながらでも公式の生配信が見れる。)
そんな中ふと、メニュー画面の端を見て見れば総プレイ時間が10000時間に届こうとしていた。
「5年間だもんなぁ」
部活もやらずに青春の全てをかけてゲームをしていたのだ。流石に感慨深いものがある。
「もしかしたら総プレイ時間万時間突破って俺が初じゃないか?」
数分後には公式の生放送が始まるというのに、ここに来て総プレイ時間に気を取られて生配信のことなど一瞬忘れて上機嫌に独り言を呟く。
生配信が始まって数分もすれば総プレイ時間10000時間を突破するだろう。生配信が始まるまでの数分間は自分のステータスや図鑑を眺めて時間を潰す。
そしていよいよその瞬間がやってきた。
『こんにちは〜ジョウキ最後の超大型アップデートのお時間で〜す。みなさまお待たせいたしました!』
「きた〜!」
アップデート情報生配信お馴染みのキャスターの女性が元気よく最後の挨拶を始める。
『特大の情報は生放送の最後にお伝えしますので、是非是非最後までご覧ください!』
「フォーー!!!」
生放送序盤からテンションが上がりすぎてやばい人になっていた俺。このゲームがMMOじゃなくてソロ用のゲームで良かった。
生放送は順調に過ぎていった。異変が起こったのは終盤に差し掛かったところだった。邪魔なので閉じていたメニュー画面が突然開いたのだ。
「ん?なんで急に開いたんだ?」
《総プレイ時間10000時間達成おめでとうございます!
あなたが初達成者です。
あなたの「ジョウキ」愛にお応えして特別なプレゼントをご用意致しました。喜んでいただけましたら幸いです。》
メニュー画面にはそのようなことが書いてあった。
生配信関連のメールかと思ったら全然ちがうじゃないか!
…これって運営からだよな?いや、普段の運営からのメールは差出人にしっかり運営と書いてある。ということは詐欺とかドッキリの可能性もあるか?いやいやそれこそない。メールを送れるのは運営とフレンドだけだ。俺にフレンドはいない。なら必然的に運営からのメールということになる!つまり安全なプレゼントなはずだ!
謎だらけのメールに頭が高速回転し、安全なメールだと結論づける。 とにかくメッセージはどうでもいい。重要なのはプレゼントとやらだ。
俺はメッセージを恐る恐る下にスクロールする。すると…
《「ジョウキ」を現実でプレイする権利》
というメッセージが光っていた。光っているということは、タップをすれば概要を見れる。まだ見る前だが、99%イタズラだろう。
運営からの特別なアイテムや、ユニークジョブなどを内心期待していたので落ち込み具合は半端ではない。
「はーぁああ、まあ一応概要だけは見ておくか。」
ポチッ
《「
YES NO
※注意、一度「
したら戻ってくることはできません。 》
「えー何これ、YESとNOの選択肢だけ…とりあえず詐欺の可能性はないかな?ドッキリの可能性は残ってるけど。」
ピコンピコンという音がする。
よくわからないメッセージのせいでせっかくの超大型アップデートに集中できていない。なんだかブルーな気分になってしまった。
「まぁ、生放送が終わってから考えればいいか。」
ピコンピコン
『それではいよいよみなさまお待ちかね、新アイテムと新ジョブについての情報を公開します!放送の最後にはこの2つが霞んでしまうほどのビッグな情報がありますので、是非最後まで楽しんでいってください!』
「お、きたきた」
ピコンピコン
「さっきからピコンピコンってなんの音だ?せっかくの時間を邪魔しやがって!」
生放送画面から視線を外し、メニュー画面の方をみた。
『残り15秒』
「は?」
残り時間。思えば特典の概要を開いた時から聞こえていた気がする。なんの残り時間かなんて、さっきの選択肢しかないだろう。
ここで俺はまたしても頭を高速回転させ、YESとNOの選択肢について思考の海に落ちた。
待て待て待て考えろ。とりあえず一旦ドッキリの可能性を捨てて運営からのメッセージだと仮定しよう。「ジョウキ」の世界に行きたいかと問われれば問答無用でYESと答える。だが地球でやり残したことがあるはずだ!友達…はゲームをやるために学校が終わったら速攻下校していたので付き合い程度の友達しかいないな。家族…は両親とも海外に働きに出ており、俺は中学生まで無愛想な叔母の家に住まわせてもらい高校からは一人暮らしをしている。なので家族に二度と会えないと言われてもそれほど悲しくない。地球に思い残すことはあるにはあるけどそれよりも「ジョウキ」に行きたい気持ちの方が大きい。
「ジョウキ」はそんなに殺伐としていない。日本よりは治安が悪いかもしれないが、治安の悪い海外よりは安全だ。なら断る理由なんてないのでは…?
『残り5秒』
やらなくて後悔するならば、やって後悔した方がいい!
決めたぞ!俺は「ジョウキ」世界に行く!
心残りがあるとすればアップデート情報の1番重要な情報が聞けなかったことだが、現実になった世界で初見の反応ができると思えば逆にいい!
『YES』
ポチッ
ん?元にした?
「え、ちょ——
『最初の新アイテムはレベ——
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