第2話 元気印のヒロイン!だが無視する。
これから入学する冒険者を育成するための学校。
王立冒険者学校。
日本で言うところの高校卒業資格の得られる専修学校のようなものと想像してくれるといい。
俺はここへ通う為に通学路を歩いている。
通学路には学校に通う生徒達がちらほらと見られる。
ここで主人公はヒロイン、いや、チョロインとなる最初の女性、元気(だけ)が取り柄の彼女と出会い頭にぶつかってしまう。そこで事故ってキスをしてしまったことで恋人みたいに初手から接することになるのだが。
昭和の恋愛漫画かな?
だが、俺の対策はシンプルかつ完璧である。
何故ならば、早めに登校しているからだ!
そもそも入学式当日に遅刻寸前という自体あり得ない。早めに登校して然るべきなのである。
というわけで、何時もより早めに起床をして身支度を整えると余裕を持って登校する。
そのため、学校について受け付けを済ませて会場である体育館に来てもヒロインと出会うことはなかった。
完璧だ…………
彼女に目をつけられると碌なことがない。
不機嫌になると殴る蹴るは当たり前。主導権を握らないと不安で仕方がないクセにかまってちゃん(物理)という、逆DVという街道を爆走するヒロインなのだ。
普通に関わりたくない。
案の定、彼女は遅刻ギリギリで現れた。
その後は卒なく式も終わり各教室へと向かうのだが、この時、俺はある事を思い出していた。
ヒロインとのファーストコンタクトを無事に回避して安心したのも束の間。あることを完全に見落としていた。
だが、シナリオは初手から崩壊しているのだから今後の展開も…と考えた自分が憎い。
「私、ミナ!ミナ・リンバースって言うの!よろしくね!オクト君!」
席が隣だった………
神様っていないのでありますか……?
「こちらこそ、よろしく」
思わず頭を抱えたくなる状況なのだが、仕方が無い。何も気にしていないように振る舞う。
振る舞うのだが…
彼女はじっと俺の顔を見ている。
怖い。
「じ〜〜〜〜〜」
「なに、かな?」
「ん〜何処かで会ったこと…ないかな?」
「ないです。初対面ですよ」
こう来るのか!
思わずそう言いたくなった。
彼女とは面識はない。だから勘弁してほしい。
関わりたくないのだから!
「ん〜そうかな〜?そんな感じしないけどな〜?」
お願い!もうやめて!
好感度上げたくないの!
好感度上げたら、俺の意思とは無関係に彼女顔されるの!
その後も当たり障りなく対応出来た俺を誰か褒めて欲しい。
事あるごとに俺の事をまるで気心の知れた異性の友達☆と言わんばかりの馴れ馴れしさで接してくるこのチョロイン。
ここはゲームじゃない。現実の世界なのだ。
そんなことはないかと信じたいが、変なことで好感度爆上がりなんて事態は絶対に避けたい。
当たり障りなく、それでいて紳士的に………
そんなネゴシエーターのような対話を1日続けた事で、ストレスで俺の寿命と前髪がマッハの速度で削られていくような感覚に陥るのだが気の所為だということにしておく。
こうしてチョロインとのファーストコンタクトを軟着陸させて学校初日は終了した。
終了したのだが…
明日学校行くのマジで怖い。
「ヒロインが隣の席ってのも回避出来なかったし…担任がな…」
俺のいる教室、1年A組の担任。
ネーティ・トラレッター
髪を後ろで束ねたグラマーな女教師。
彼女も攻略対象の人物なのである。
彼女もまた曲者なのだ。
「マジで学校行きたくねえ…本気で転校したい…」
俺は今後の展開に頭を悩ませながら布団に入った。
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