第18話
「お兄さんがバンド⁈」
「ねえ、美羽、そんな情報私達には全く入って来ないよね」
大賀を応援している女子の1人、広瀬成海が言った。
「うん、聞いた事ない」
「呉羽さんは大賀のお兄さんと仲良いの?」
もう1人の中村楓もしっくり来ない様子。
「舞は日曜日に渋谷でライブしてるんだって。もしかしたらMARIAに入るかも知れない」
「私達を差し置いてそんなの許せない!」
「ねえ美羽、一言釘を刺しとこうよ」
楓が闘志剥き出しで言う。
早速、成海と楓は行動を起こした。
翌日の昼休みに、舞を屋上に呼び出したのである。
「悪いけど舞、私もこっち側よ」
美羽はそう言って、成海の隣に歩いて言った。
「知ってるよね。舞。私達が入学してからずっと大賀が好きだって事。それなのに、お兄さんと仲良くなって、お兄さん側から情報を仕入れて、それを基に大賀に近付くなんて。
あんたは美羽の友達づらして、影でずっと美羽を裏切ってたのよ」
成海は怒りを抑えられない様子で、舞を見ている。
「そうよ。私達を差し置いて、何大賀に近付いてるのよ」
言っている事はまるっきり親衛隊だ。
だが舞は首を傾げている。
「悪いけど、意味分からない。私はただ悠哉さんのバンドに誘われてるだけだよ。それが何で水野君とどうこうって話になるの?」
「もちろんそのバンドに入ったりしないよね」
成海が釘を刺す。
「それは私の自由だと思う。何でアンタにそんな事言われないといけないの?」
「美羽への裏切りだよ。舞は美羽と友達だよね。だったら後ろから大賀に近づくような事出来ないよね」
楓も黙ってはいない。
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