幕間2
俺の名前は黒澤大輝。映画部の一員だ。
…と言っても、おそらく読者の大半は「お前、誰?」って思ってるだろう。いや、それも無理はない。本編で俺の出番なんてほとんどなかったからな。たぶん、俺の名前が出てきたのって、一、二回じゃないか?
でも、俺はちゃんと映画部にいるんだよ。いや、ほんとに。撮影があれば機材を運んでるし、ロケ地の準備だって手伝ってる。セリフは少なくても、裏方で頑張ってるんだ!
それにしても、この映画部、存在感のあるやつばっかだよな。悠斗に唯菜先輩、健人、沙織…。みんなキャラが濃すぎて、俺の出る幕なんてどこにもない。
例えば悠斗。なんだあいつ。ついこの間入ったばっかりなのに、すぐに部活の中心に立ってるじゃないか。あれか?「新入り補正」とかいうやつか?それとも、ただ単に主人公補正ってやつなのか?
唯菜先輩も、なんていうか、完璧すぎるんだよな。あの優しさと笑顔、そりゃあ悠斗も好きになるよ。でも、俺たち平凡な部員からしたら、まるで高嶺の花だ。
健人?いや、あいつは別にいいんだよ。俺たち同じ「空気系男子」かと思ってたら、悠斗をやたらと応援したりして、意外と世話焼きな一面があるんだよな。おかげで俺の存在感はさらに薄くなるわけだ。
沙織は…まあ、彼女はしっかり者だよな。でも、たまに健人に向ける視線がなんか特別なんだよ。これもまた、俺には関係ない話だ。
そんなわけで、俺は影に徹するしかないんだ。そう、裏方の王道を行くのが俺の役割だ。機材を整備して、ロケ地を押さえて、撮影がスムーズに進むように支える…。
え?「それならもっと出番を増やしてもらえばいいじゃん」って?いやいや、わかってないな。こういうポジションにいるキャラがいないと、物語は回らないんだよ。地味な役割こそ、作品の隠れた要だ。
でもさ、たまには俺にもスポットライトが当たってもいいんじゃないか?例えば、映画コンクールの裏側で俺が何かすごいミスをしそうになって、それをギリギリでリカバリーして、みんなに「黒澤、意外とやるじゃん!」って褒められるとか。いや、そういう回が来ることを俺は信じてる。
…まあ、でも結局俺はこれからも黙々と機材を運び、風景の中に溶け込んでいくんだろうな。実際江の島に行ってたのに全然いなかった感じになってるし。映像化したら肩しか映ってない説もあるな。
だが、そんな自分も、嫌いじゃない。
だから、みんな、覚えておいてくれ。俺、黒澤大輝も映画部の大事な一員なんだ。たとえ影が薄くても、俺なりにこの物語を支えてるってことを。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます