第4話 静寂の中の嵐
帝国軍を退け、王国軍第七機甲騎士団は拠点へと帰還していた。戦いの余韻が冷める間もなく、次なる戦闘に備えるべく隊員たちはそれぞれの役割を果たしている。リオン・アークライトもまた、自らの成長のために日々訓練と準備を重ねていた。
整備施設では、オメガフレームの修復が進められていた。特に、リオンのフレームは複数の傷を負いながらも健闘したことが評価されている。
「リオン、よくやったな。お前のフレーム、これだけ動いてまだ壊れてないのが奇跡だ。」
整備主任が笑いながら話しかける。
「ありがとうございます。でも、正直、何度もやられるかと思いました。」
「まあ、それが戦場ってやつだ。だがな、若いってのは強みだ。恐れずに前に出られるってのはなかなかできるもんじゃない。」
リオンはその言葉に少し照れながらも、次の戦いではさらにうまくやれるよう努力を誓った。
夕暮れ時、リオンは訓練場で射撃訓練をしていた。アサルトライフルを模した訓練用の武器を手に、標的を正確に撃ち抜いていく。
「リオン、まだ訓練しているのか。」
ギルフォードが静かに近づいてきた。
「はい、隊長。まだ自分の技術には満足していません。」
「そうか。だが、お前は焦りすぎるな。戦場では判断の一瞬が生死を分けるが、焦りは最も危険だ。」
「……わかっています。でも、自分にはまだ足りないものが多すぎて。」
ギルフォードはしばらくリオンの言葉を聞いていたが、ふと微笑んで言った。
「若さというのは未熟さと背中合わせだが、それを補うのが我々先輩の役目だ。だからお前は自分を信じろ。仲間を信じてな。」
その言葉に、リオンは少しだけ肩の力を抜くことができた。
その夜、拠点には帝国軍の次なる動きに関する報告が届いていた。
「少佐、どうやら帝国軍が再び侵攻を企てている模様です。しかし、今回は奇妙な点があります。」
通信士がギルフォードに報告を入れる。
「奇妙な点?」
「はい。敵部隊の動きが散発的で、戦略的な目的が見えません。それに、各地で目撃されているフレームの機種も不統一です。」
「奴らが陽動を仕掛けている可能性もあるな。」
少佐は地図を睨みながら思案を巡らせた。帝国軍の動きに不審な点があることは明らかだったが、その真意を読み解くにはまだ情報が足りなかった。
「引き続き偵察を続けさせろ。我々はここで迎撃態勢を整える。」
翌日、リオンたち新人騎士は連携訓練を行うこととなった。今回の訓練は、戦場でのチームプレイを磨くことが目的だ。
「リオン、お前は突撃班だ。エルドと連携しながら、前衛を担当しろ。」
カールがリオンに指示を出す。
「わかりました!」
模擬戦が始まると、リオンはアサルトライフルで敵役を撃ちつつ、エルドと連携して攻撃を仕掛けていく。
「リオン、右だ!」
エルドの指示に従い、リオンはすばやく右側の標的に攻撃を仕掛ける。二人の動きは徐々に洗練されていき、模擬戦の勝利を手にした。
「やったな、リオン!自主練の成果が出てるな!」
「ああ、ありがとう!でも、まだ油断はできないな!」
その日の夜、リオンは星空を見上げながら考えていた。帝国軍との戦いで感じた恐怖と、自分の未熟さ。それでも前に進むしかないという覚悟。
「リオン、こんな時間に外か?」
カールが歩み寄ってきた。
「ええ、少し考え事をしていました。」
「そんなに難しい顔するな。俺たちは戦うことが仕事だが、それだけじゃねえだろ。」
「……それだけじゃない?」
「ああ。戦う理由ってのは、誰かを守ることだ。だからお前も自分だけじゃなく、仲間や故郷のことを考えればいいさ。」
その言葉に、リオンは少しだけ心が軽くなった。
「ありがとうございます。カールさん。」
翌朝、拠点には緊急の報告が届いた。
「少佐!帝国軍の部隊が王都近郊に接近中との情報が入りました!」
「何だと?ここから王都までは距離がある。別の部隊が動くべきだろう。」
「しかし、近隣の部隊は対応が間に合わないとのことです。我々が先行して迎撃する必要があります。」
ギルフォードは考え込んだ後、全隊員に出撃準備を命じた。
「リオン、エルド、準備はいいか?」
「はい!」
「任せてください!」
こうして、王国軍第七機甲騎士団は再び戦場へと向かうことになった。
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