タナトスの影
遊野煌
第1話
「はぁっ……はぁっ……」
僕は、ネットで検索した、自宅から数千キロ離れた、山奥のいわく付きの神社に参拝に来ていた。長い緩やかな坂道に呼吸が乱される。
「此処が、死神様に……会えるっていう、
ようやく辿り着いた、鳥居の前で僕は、両膝に手をついて、呼吸を整えた。
何のシミなのか分からないが、酷く黒ずんだ鳥居をくぐり抜けると、骨組みだけの狛犬が左右に並び、
拝殿に辿り着く頃には、辺りは急に霧がかかり、視界が、かなり悪くなってくる。
僕は、ジーンズのポケットから、444円を取り出すと、カッターで、親指を僅かに傷つけて硬貨を血で濡らした。
賽銭箱にジャラジャラと、真っ赤に染まった硬貨を投げ入れると僕は、ネットで調べた通りに、願いを言葉にだす。
「僕の名前は、
僕は、目をぎゅっと瞑ったまま、耳を澄ます。シンとしていた境内の、木々の葉がザワザワと揺れ始め、強い横殴りの風が僕を包む。
恐る恐る、薄く瞳を開けるが誰もいない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます