第9話

「あら、涼平さん、明日は、お休み?」


見れば、シャワーを浴び、仮眠を終え、かぼちゃグラタンを美味しそうに平らげてみせた、涼平が、ゴルフバッグを取り出している。そして、乾いた布に中性洗剤をつけながら、丁寧にクラブを磨いていく。


「あぁ、外科部長とゴルフなんだ。夜は、部長行きつけのラウンジに行くよ」


涼平は、申し訳なさそうに、肩をすくめる。


「気にしないで。部長からのお誘いなら、お付き合いしなきゃ失礼だわ」


「有難う、亜紀は、本当に理解が、あって助かるよ、さすが、僕の生涯を共にするパートナーだね」


「あら、嬉しい。涼平さんこそ、いつも、お仕事頑張ってくれて、本当に有難う。明日は雨が降るかもだから、上着は持っていってね、風邪を引いたら大変だから」


「分かったよ、ありがとう」


私は、洗い終わった洗濯物をカゴに入れて、バルコニーの扉を開ける。


洗濯をしても、まだ、こびりついている、シャルルの香水がまだ匂う、涼平のワイシャツをハンガーに掛けて干しながら、リビングに背を向けている涼平の後ろ姿を眺めた。


時折、スマホを気にしながら、ラインが来るたびにメッセージを返信している。


明日のゴルフは、部長ではなく、日向子とだろう。

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