第13話病院を変える
29歳の発症から同じ病院へ7年間通ったが、思い切って病院を変えた。
そこには、メガネを掛けたおばちゃん先生が診察室に座っていた。
「初めまして。宜しくお願い致します」
「はい」
そして、色々話しをして、
「前の病院では、かなり古い精神安定剤を処方されていました。薬をガラリと変えます。後、出来るだけ早くA型作業所を辞めて下さい」
「何故ですか?」
「藤岡さんは、A型にいる人間ではありません。頑張って他を探して下さい」
「はい」
その日、院内処方の薬をもらい帰宅した。
「藤岡君、今日、病院どうだった?」
「前の病院は、古い薬を処方していたみたいだよ。多分、今日からぐっすり眠れる。仕事も探してみる。A型はダメらしい」
みさとは晩御飯を作りながら、
「慌てる必要ないよ」
「でも、段々、就職に不利な年齢になって行くけど」
「転職して、また、すぐ辞めたらショックでしょう」
「……それも、そうだね」
その晩、新しい睡眠薬で寝た。
朝までぐっすりと眠れた。久しぶりだった。
金縛りも消えて行く。
僕は植物園の栽培管理の仕事を見つけた。
元々、植物系の資格を持っていたので就職した。
仕事は楽しかった。
そうしていると、洋太は小学生になる。
ある日、分譲マンションの見学に行く。みさとと双子のお姉さんは、マンションの購入を決意した。
問題が。
そこに義弟も住むので、部屋が足りないのだ。
「ごめん、藤岡君。1人暮らし出来ない?」
「何で?」
「部屋が足りないから、悪いけど1人暮らししてほしいの」
「弟が1人暮らしするのが当然でしょう」
「あの子は、馬鹿だから。ごめんなさい。1人暮らしして」
「……わかった」
それから、週末婚が続く。洋太は小学生だが、僕が帰る時間になると、泣き始めた。
僕は37歳から1人暮らしになった。
義弟を恨んだ。
それから、5年を過ぎようとしている時に、家族で焼き肉屋の順番待ちをしている僕にみさとは言った。
「ねぇ、私たち離婚しない?」
「……」
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