第6話 再会
重厚感漂う国会議事堂の応接室
雅は高下駄を脱いでソファに優美に腰かけた。対面する二人。
「雅…だよな?雅…なんで?」
俺は驚きを露わにした。
「ふふっ。お久しぶりでありんす。信二さんは歳を取られましたなぁ」
その一言で気づく!俺は72歳なのに対して雅は花魁姿で今が一番華という姿だ。
「雅!お前…今…
「17になりんした…今は雅太夫の名前をいただき花魁となりんした」
「そ、そうか…え?どこの?」
「えぇ、大戸吉原の」
大戸吉原…国家事業として30年前に遊郭を復活させ公として体を売る事を許可したのだ。あえて古き良き遊郭に忠実にしたテーマパークのようになっており昼は花魁道中で男女共に楽しめる。梅毒チェックなど性病などの検査も怠らないので安全性も高いと人気だ。
海外からの観光客がこぞって女性を買いに来てインバウンド観光の目玉となったため、今では全国各地に遊郭が広がっている。
「過去からと思っていたが…未来から来ていたのか…」
「ふふっ。信二さんは52年経っても
久しぶりに見る雅の笑顔は幼さが取れ妖艶さを増して見惚れてしまう。
「え、じゃぁ雅が親から売られたっていうのは…」
「そうでありんすよ…食料供給困難事態対策法…あれは酷い法でありんした…」
「なぜだ!有事で物価が高騰してしまった時の食料を国民に回るための法案の何がダメなんだ?」
「政府が食品をもっと作れと命令し農家が従わなければ罰金…でありんしたね。人を雇うとしても最低賃金が高うて人を雇う事も叶いんせん。それでどうやってもっと作れと?
畑だから米も作れるだろう?
関税を下げ輸入品が増え作っても売れんで離農が増えたでありんす。国産の安全な質の良い物は輸出し、安く輸入されたどんな農薬を使うているか分からんような質の悪い農作物しか国民は食えんくなったでありんす。
いざ食糧不足になったら通貨の価値が低くて買い負けて食料不足は加速…頑張って作った作物を配給だって奪われて強盗も国も変わりぁせん!
インフラが老朽化しても家一件のために金は出せんと言われだでありんす。結局借金も嵩んでわちきは売られたんでありんす」
この国の食料自給率はもう10%を切っていた…
「『女が苦しゅうない世界を』っておがんだのに多様性って事で女性用トイレを誰でもトイレに変え、チ〇コがついていても女性用風呂に入れるようになっちまって性犯罪が増えもう女は外ではトイレも風呂も入れなくなりんした…」
(あぁ、だから女性用の風呂トイレに感動していたのか…)
「どうして全国に遊郭が広がっておるかお忘れかえ?」
「借金を苦にして風俗や立ちんぼに身を落とす女性が増えたから救済のために国家事業として遊郭を…」
そんな俺の回答を
ダァァァンッ!
雅がテーブルを叩いて断ち切る。
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