美女と野獣Ⅲ【完】

Rain

エピローグ

第1話

――――

――




ある晩のこと。


三人の娘を持つ商人が、16歳になる末娘のために薔薇を摘もうとある庭に忍び込みました。



「なんて綺麗に咲き誇る薔薇なんだ。」



商人はあまりの薔薇の美しさに、誰も居ない庭でつい声に出してしまいました。


「…誰だ。」



低く冷たい声がして、恐る恐る後ろを振り返ると――そこには息をするのを忘れるくらい大きな影。


彼の前に庭の主である野獣が姿を表しました。



「お前は誰だ。なぜ我が庭に入る。」



「も、申し訳ございません!…あ…あまりにも…う美しい薔薇だったので…む…娘にと…」



怯えきった商人は、その場に縮こまり、体を震わせていました。



「…娘がいるのか。」



「はっ…はい。3人います…す、末娘が…今度16になります。」



「…来い。」



野獣にそう告げられ、商人はこのまま殺されるのだと思い、天にいる神と地にいる家族を重い浮かべました。


しかし、商人は野獣の豪邸で、思いの外歓待されたのです。

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