第59話 神の居る世界への転移ゲート
羽妖怪の襲来を引き起こした兄妹の父親が、自分の腹にナイフを刺した。
俺の腹に、父親が刺した場所と同じ所から、血が流れている。
父親は何らかのスキルか、魔法で、俺の身体と、自分の身体を共有させていた。
油断した。
相手が弱すぎて、俺にダメージを与えられないと思ってしまった。
俺の回復魔法で、腹の傷は治らなかった。
だけど自分の胸から下の、下半身を全て切り落として、新しい身体を回復魔法で生やしたら、傷は無くなっていた。
良かった、これで新しい身体にも傷が残っていたら、治すの難しかった。
いや、これで全部が元通りとは、いかなそうだ。
兄妹の父親は、俺が新しい身体にして傷を治しても、笑ってはいないが余裕な表情をしている。
他に何があるんだと思ったが、もしあの傷で、俺がモンスターに変身するとしたら。
他の人がモンスターに変身するのを、俺の回復魔法やスキルで、止める事は出来なかった。
あの兄妹の父親の表情を見たら、最悪な結末を考えて行動した方がいいよな、、、
兄妹の父親をオリハルコンで固めて、拘束した。
白い羽は大きくて邪魔だな、これを切ったら俺にも痛みが来るのかな?
試しに父親の白い羽を切り落としてみる。
兄妹の父親
「Arrrrrrgggghhhhhh!!!!!!」
父親は、右腕や右足を切り落とした時より、激しい叫び声を上げていた。
逆に俺は全く痛みが無かった。
余りにも父親が叫び続けるので、暫く見守っていた。
叫び声が気になってか、ログハウスの扉を少しだけ開けて、中に居た7人の神父やシスターの格好をした人達も、部屋の中から外の様子を窺っていた。
彼等の魔法やスキルは、一般的なものしか所持をしてないし、レベルや魔力も多少は高いけど、特別高い訳じゃないから放置する。
そんなに痛いのかな。
羽が生えていた箇所から血は出ているが、精々指を切り落としたぐらいの血量じゃないかな。
右足を切り落とした時の方が、絶対痛いだろ。
切り落とした羽を鑑定すると( 神から与えられた天使の証 )と書いてある。
神って、地球の生物を絶滅近く、減らす為に動いている神と同じ?
兄妹は神を止める為に動いていたんじゃ?神を殺そうともしてたよな。
その父親が神から羽を貰った?
鑑定からの、神だけじゃ分からないなぁ。
地球にも色んな宗教があって沢山の神がいるから、違う神かもしれない。
鑑定スキルは人や物を鑑定できるけど、異世界に居た時から、物の鑑定説明は適当で使い物にならなかった。
兄妹の父親は5分ほど、叫び続けてから気絶してしまった。
アイテムボックスを開く
お姉さん
「モンスター化とめた?」
『いや索敵してみても、モンスターはまだ世界中で暴れていると思う』
『もしかすると俺もモンスターになるかも』
お姉さん
「オジサン体液を浴びた?」
『いや羽の生えた中年男性に、腹を刺された』
俺はさっき起こった事を話した。
そして、もしかするとナイフで刺された傷が原因で、俺がモンスターになるかもしれない、と話した。
お姉さんや自衛隊員さん達に、これからの事を話す。
数時間後、遅くても12時間後に、もし俺がモンスターになったら、多分誰も地球で止められる人は居ないという話をした。
最悪を考えて、皆んなは、神が居る場所へ転移して欲しい、とお願いした。
地球で隠れていても、俺の索敵からは誰も逃げられない。
モンスター化した俺が、神の居る場所へ転移する可能性もあるけど、俺が神の居場所へ転移しない可能性もあるから、地球に居続けるより安全だと思う。
お姉さん
「モンスターになったらオジサンは、生きてた時の記憶が無くなる?」
『分からない』
『でもアイテムボックスの中や、地球に居たままなら、俺がモンスター化したら、皆んなを殺してしまうと思う』
『神の居る場所も安全かどうか、でも少女に聞いた話だと、いきなり殺される場所じゃ無いみたいだし、生活する事はできると思う』
『兄妹と、破壊者は連れて行って欲しい』
『兄妹の父親は俺が尋問して、場合によっては殺す、彼はモンスターかもしれない』
少女から聞いていた次元の座標なら多分、俺でも転移ゲートを作れる。
神の居る場所への転移ゲートを、空間魔法で作り出してみる。
上手く転移ゲートを作れたと思う。
アイテムボックスに避難して来た約4500人の人にも、省略した事情を話して、転移ゲートへ入ってもらう。
納得してくれた人もいるが、殆どの人は、アイテムボックスへ避難したのに、また次の場所へ避難してくれ、と言われたから文句や批難を俺達にしてきた。
そりゃそうだよな、助かったと思ったら、ここも危険だから、また移動してと言われたら、俺だって文句も言いたくなる。
時間が無いので、強制的に次々と皆んなを転移ゲートへ押し込んでいく。
文句は転移先で、お姉さんや自衛隊員さん達に言ってくれと言う。
ごめん。
転移する前に、皆んなのレベルや魔力、ステータスを其々の限界値まで上げる。
殆どの人が、魔力でいうと500〜1000ぐらいしか最大でも増えないが、無いよりはいいだろう。
スキルも9割以上の人に、ネット通販スキルを付与する。
魔力500じゃ、1日に500円分ぐらいの物しか、通販スキルで取り出せないけど、転移先での自分の食料分ぐらいは、スキルで賄えるだろう。
お姉さん
「オジサンはモンスターにならなかったら、神の居る場所へ転移して来るんだろ?」
『勿論!俺も後からそっちへ向かうよ』
『12時間経っても俺が其方へ行かなければ、モンスター化したと思ってて』
自衛隊員さん達も転移ゲートへ入っていって、俺とお姉さんだけになった。
他に兄妹の父親や、ログハウスの中の人達も居るが、転移しないから、転移するのはお姉さんが最後だ。
彼女は何も言わない。
何か言いたそうだったが、俺の目を見るだけだ。
お姉さんが俺に近付いて、自分の顔を、俺の顔に重ねてくる。
そっと、俺は顔を逸らして躱わす。
お姉さん
「おいっ!そこは別れのキスを普通するだろ!」
「まだモンスター化する前だから、いいだろ!」
彼女は最後に、キスをしようとしてきた。
別れる時のキスは、もうお互いの関係を認めてしまうよ。
お姉さんは涙目で、怒った目をしていたが、寂しそうだった。
俺は彼女の唇に俺の唇を重ねて、暫く抱きしめた。
お姉さん
「彼氏とかじゃ無いからな、別れの挨拶だからな」
『わかってるよ、モンスター化しなかったら直ぐにそっちへ行くから待ってて』
お姉さん
「ずっと待ってるから」
お姉さんは2度振り返ってから、転移ゲートへ入って行った。
俺は彼女が入ったのを見送ってから、暫くして転移ゲートを消した。
モンスター化したら、もう2度と会えないだろうな。
さっきから凄く眠い。
気を抜くと、そのまま寝てしまいそうだ。
寝ると反射スキルも、筋力強化スキルも、解除されてしまう。
今寝たらダメだ。
兄妹の父親に聞くことが、まだある。
それにしても眠い。
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