第4話 電車で帰路に
質屋でスキルで出した金貨を換金して1000万円にした。
笑うほど簡単に大金を手に入れたな。
明後日に親友と合流するまで時間がある。
美味いものでも食べて高級なホテルで寝泊まりしようと思ったけど、街は大騒ぎで誰しもが頭の整理に必死で営業してる店もあったが、殆どが臨時休業になっていた。
全ての地球にいる人間が異世界転移から戻って来て、5時間が経った。
仕方ない、自宅へ戻ろう。
こんな混乱した状態なのに電車は普通に運行していた。
日本時間でお昼頃に転移してから戻って来て夕方には遅延はしていたけど、電車は動いていて人々は帰路に着いていた。
日本人の公共性というか仕事に対して凄いな。
個人商店や公共性の無い店は6割ぐらい閉まっているけど、インフラに関わる人達は自分達も異世界から戻って来たばかりなのに普通に職務についている。
ずっとスマホで情報をチェックしているが、ニュースを見ると海外は日本の比じゃ無いぐらい混乱していて、各国の指導者が冷静に対応するように呼び掛け続けている。
俺の自宅は家賃を滞納していて、いつ追い出されてもおかしく無い。
それにガス電気水道は全て止められている。
狭く汚い家に戻っても誰も居ないし、現金はあるから生活をやり直す事は出来るけど、今更あの家でやり直してもなぁ。
家に帰る気持ちになれなかったが、明後日まで情報収集する為の場所は欲しいし帰るしかない。
ホテルに泊まろうとして2件連続で断られたから、もうホテルに泊まる気も無くなってた。
異世界から戻った混乱で断られただけだよな?俺の服装や外見で断られたは無いよね?と思いたい。
自宅近くの駅までの切符を買って改札から入って気付いた。
明後日も乗るだろうしICカード乗車券を買ってチャージしても良かったな。
まぁいいか自宅近くの駅で買おう。
地下にあるプラットホームで電車を待つ。
いつもなら乗降客がとても少ない駅なのに、まだ午後5時だけどホームには人が結構居た。
駅の方お疲れ様です!感謝!電車は遅延していたが15分後にはホームへ入って来た。
遅れて到着した電車には人がぎゅうぎゅう詰めに乗っていた。
これには乗りたくないな(笑)
次に電車が来るまで暫く間が空くとアナウンスがあったので、皆んな乗ろうと必死に押し入っている。
俺は立ちっぱなしでも回復魔法で疲れないから、何時間でも待つよ。
満員電車の光景を久しぶりに見て、異世界から帰って来たんだなぁと嬉しくなった。
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